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【連載136】産学協同の商品開発

  • 2021/01/15

 新しい時代の住宅として本部では今、「医学と科学を導入した建物」を開発中です。これは長年私が「こんな住宅はできないか」と様々な分野の方々に相談してきた中で、ようやく形になったものです。「医学と科学」ですから、相談する相手は研究者です。「医学と科学を導入した建物」の開発は、大学との産学協同によって商品化が進められています。

 現時点では、まだ詳細までは公表できませんが、一つは、空間デザインをすることで「集中力を増す部屋」、「ストレスを減少させる部屋」、「健康志向を目指すリビング」を造るというものです。

 「集中力を増す部屋」は、子供の勉強に役立ちますから「勉強ができる子を創る部屋」と言い換えることもできます。「ストレスを減少させる部屋」が寝室に採用されれば、現代人の多くが悩む睡眠障害などの改善にも役立ち、ストレス社会で「家に帰ればストレスが減る」ということをアピールできる住宅となります。「健康志向を目指すリビング」とはまさにそのもので、スポーツクラブやジムに通わなくとも、家にいて健康の維持向上ができるというものです。

 これらを大学の研究者と科学的な理論に基づき研究し住宅商品として開発し、会員の皆様とともに市場に展開していくことが、もうまもなく具体化します。会員の皆様には、医学と科学を取り入れた近未来の住宅の提案の担い手になっていただきます。

 空間デザインによる人への様々な効果を考慮することは、これからの住まいには必要不可欠になってきます。本部の取り組みは、それを先取りしたものです。

 コロナ禍を経て、人々の健康志向はますます高まるはずです。また、住まいに対する考え方も変わるはずです。「家を建てれば(買えば)一人前」という風潮の中で、自分の収入から割り出してやむを得ず遠い場所や狭い場所に住まいを持つ人が多かった時代は過ぎ去ろうとしています。どんなふうに暮らすか、それが先に来て住まいを選ぶ時代になったのです。

 本来、人は人生の時間軸によりその時々に重視する物事、目標が変わり、それに応じて住まいに対する目的も変わるはずです。独身の時に重視することとそれを行うために必要な住まいと、子育ての時のそれとは異なるはずです。壮年時代、熟年時代、子育てを卒業し仕事もリタイアした時代、それぞれのシーンで求める住まいは異なるはずです。求めていることが違うのに、同じ家に住み続けなければならないということは理不尽です。

 人が主役で住まいはそのサポートをする……そんな本来の姿が実現する時代に向けての取り組みが、私たち住宅供給者にはこれから強く求められてくると私は考えます。

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