【連載130】コロナ禍とリーマンショック
- 2020/10/15
秋を迎えても新型コロナウイルス感染症の収束の目途は一向に立たず、これから冬に向かって感染者数が再び増加するのではないかという懸念も出ています。一方で、経済を回す必要からGO TOキャンペーンやイベント規制の緩和なども進められています。感染拡大防止策と経済活動支援の同時展開は「ブレーキとアクセルを一緒に踏む」という批判もあるようですが、矛盾であってもやらねばならない状況があります。
コロナ禍による中小企業の倒産や飲食店の廃業の増加がすでに報じられていますが、経済の混乱や低迷は、むしろこれからが本番だという指摘もあります。緊急事態宣言以降の移動自粛や飲食店休業・営業短縮要請などに対応し、政府は一律10万円の特別定額給付金や事業者向けの持続化給付金の支給、雇用調整助成金の特例措置などを行ってきましたが、これらを際限なく続けるとは考えられません。
今回のコロナ禍での経済への影響については、2008年のリーマンショックと比較して論じられることが多いようです。しかしリーマンショックでは金融を中心としたある意味で限定的な世界での危機でした。企業倒産も大型企業の破綻や危機が相次ぎましたが、株価下落などの影響は多くの人にとっては間接的にしか受けませんでした。ところがコロナ禍は、すべての人が感染するリスクを負っており、すべての人の経済活動に制約をもたらしています。飲食店を中心とした中小規模の事業者が、大手に比べより深刻な影響を受けている点も看過できません。一般への影響という点では、リーマンショックとは比較にならないほど広範囲におよんでいます。
にもかかわらず、リーマンショックやITバブル崩壊では、日経平均株価の回復に40~50週という長い期間を必要としたのに対し、コロナショックは、発生から15週間後には急落前の水準を回復しています。こうしたことから、経済活動の打撃は予想するほど深刻ではなく、ウイズ・コロナで上手に付き合うことで経済を回すべきだという論調も出てきているわけです。
感染は収束したわけではありませんから、コロナ禍での経済について総括することはできません。しかしながら、事業を行っている私たちは結果を待って立ち止まっていることはできません。現状でわかっていることを整理し、ウイズ・コロナ、アフター・コロナの戦略を立てていかねばなりません。感染の収束がいつになるかはわかりませんが、収束してもまったく以前の状態に戻るとは考えにくいと思われます。
では、コロナ禍ではどのようなことが起こり、そのうちどのようなことが収束後も起きるのか。本部では現在、それらを分析・検討し、新商品キャンペーンを準備しています。概要は順次『YCY News』などでもお知らせしますが、このブログでは次回以降、キャンペーン企画の前提・背景などをお知らせしていきます。