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2020年05月の記事は以下のとおりです。

連載120】借りるマイホームの値段

  • 2020/05/15

 賃貸経営を集合住宅で行うか戸建住宅で行うかで迷う施主の方は、完成後の家賃収入が投資を賄えるか、という点にあります。会員の施工店さんの声でも、集合住宅のハウスメーカーと競合しているという話はよく聞きます。

 集合住宅であれば戸数がとれるから家賃収入も多いだろうと判断しがちです。しかしその分投資も大きく、さらに「集合住宅は余っている」という現実を施主に繰り返し伝えましょう。さらに「狭くても住めればいい」とう賃貸住宅には、もう人は住まなくなっていますし、「それでもいい」という人をターゲットにする賃貸住宅は、投資を回収する賃料を設定・維持していくことが困難になっていることも付け加えましょう。それらを施主の皆さんによく理解していただき、投資が少なくても高品質の戸建賃貸の建築が可能となる洋館家の商品をどんどんご提案していきましょう。

 戸建賃貸住宅の家賃設定については、仲介業者が提示する家賃設定が低めに設定されることがあるので注意が必要です。洋館家商品のような品質の高い戸建賃貸はまだまだ市場に少なく、同一エリアにあるものは、昔ながらのマッチ箱のような借家であったり、比較的大きな注文住宅を賃貸に出しているものであったりします。仲介業者が家賃設定にあたり比較するものがないため基準がなく、空室が増えている集合住宅と同じ感覚で、家賃を安くして入居させようと考える場合もあるからです。

 私たちは自社の商品に自信を持っていますし、そもそも需要に比べて供給が少ないのですから、最初は強気の家賃設定で行くべきだと施主さんには申し上げています。

 家賃設定は投資額の回収という観点と、市場の状況などを踏まえ総合的に判断し決定すべきです。ただし、競合が見当たらず市場の動向がわからない場合はどうするか。その場合は、この家に住む人がマイホームを建てたらいくら払うのか、というところから考えてみると良いでしょう。

 例えば、40坪の土地代が2,000万円で、建築と諸経費が1,400万円、合計で3,400万円だとします。これを金利3.5%、35年ローンで全部借入れで賄ったとすると、月の返済は元利均等で14万円程度です。これが、マイホームの値段です。施主は土地を所有していますから、この14万円を下回っても損をすることはありません。あとは借り手がこの値段をどう考えるかです(『RA投資の波にのれ』参照)。

 一生賃貸で良いと考える人にとってはこの値段は高くないでしょうし、いずれ家を買いたいという人であれば、家賃を払いつつ貯蓄にもお金を回すために、いくらが妥当かを考えるでしょう。しかし「借りるマイホーム」を提供する側は、まずは、マイホームを建てたときの支払額をその値決めの基準にしても、一向にかまわないのではないでしょうか。

 

『RA投資の波にのれ』の内容紹介・購入はこちらから

https://www.youkanya.com/books/

 

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