【連載91】街に戸建賃貸があふれる時代に
- 2019/03/01
- カテゴリー:日本の賃貸住宅を変えていこう
前回、賃貸住宅の立地として「居住誘導区域」がベストだと書きました。「居住誘導区域」とは、2014年に改正された都市再生特別措置法にもとづき、自治体が公表する「立地適正化計画」で設定される住宅を集める地域、「居住地」です。誘導区域にはもう一つあり、病院・福祉施設、学校、商業施設、役所などが集約される「都市機能誘導区域」(「機能地」ともいう)があります。機能地のまわりに居住地が作られる、という形で、都市を再度造り直そうというのが立地適正化計画の目的です。
高度成長期には大都市周辺は郊外へ郊外へと住宅地を拡げていきました。しかし人口減少時代を迎え、郊外から都心への回帰現象が始まっています。人口が減少した郊外では、インフラや都市機能の維持が困難になってきています。こうしたことを背景に、都市の中心部に機能を集中させる「コンパクトシティー」という考え方が広まっています。立地適正化計画も、こうした考え方もベースとしており、無秩序に拡がった都市をコンパクトにまとめようという取り組みです。
ヨーロッパではコンパクトシティーの必要性が1990年代から提唱されています。そこで言われているのは、都市機能を徒歩圏内に集約させた「小規模な町づくり」です。日本の多くの都市では、郊外に大規模な住宅開発が行われ、郊外型の大型ショッピングセンターが進出し、駅前の古くからの街がシャッター通りになるということが見られました。ところが最近、大規模住宅団地が高齢化と人口減、空室増となり、ショッピングセンターが撤退するという事態となっています。
コンパクトシティーづくりが成功すれば、街は再び活性化します。駅前の商店街は復活し活気を取り戻すでしょう。こうした地域に最適なのが戸建賃貸住宅なのです。中古住宅の再生や空き家の建替え、空き地の再利用という面で、戸建賃貸は最適な建物であり事業であります。街に戸建賃貸があふれる時代も夢ではありません。
本部では全国の都市の状況を調査し、戸建賃貸住宅をぜひ建築すべき立地、逆に建築は思いとどまるべきエリアなどを把握しています。施工店・販売店募集も、こうした調査に基づき方針を決めて行っています。
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