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2021年03月15日の記事は以下のとおりです。

【連載140】若年層が買える住宅を追求する

  • 2021/03/15

 低価格の住宅を提供することで、お客様はライフステージにあった住まいを選択でき、そのことにより住宅産業も潤うことができます。では、どのぐらいの価格帯であればいいのでしょうか。

 一般に、人生の3大支出とは、一つは教育費、二つ目は住宅費、三つ目は医療費と言われています。生涯所得のうち、この3つの支出が大きなウェイトを占めるということです。

 住宅費には、住宅購入というイニシャルコストのほか、それを維持するランニングコストも入ります。ですが、まず私たちはイニシャルコストの低減を目指すことが第一になります。

 まず買い手であるお客様側の観点での、イニシャルコストを考えねばなりません。それは、所得に対してどれぐらいの割合を住宅にかけるのが適正かということです。20代で家を持ちたいと考える。その時組むローンは長期にわたりますが、その後の人生において、まず直近では教育費などにも大きなお金がかかります。そうすると、過度なローンは禁物です。私が思うに、それは年収の4倍程度ではないかと思うのです。仮に年収が400万円であるなら、1,600万円が住宅にかけられる費用です。だとすれば、私たちが20代に家を買ってもらうためには、その範囲で収まる価格の家を建てなければなりません。

 品質が良くてコストが安い、若年層からも手が出るという住宅を供給していけば、同業他社との競争でも勝ち残っていくことができます。お客様のニーズ、市場の動向というのを見定めてそれに答える、同時に市場の方向性に対して提案することがビジネスにおいて大切です。市場の方向性に対する提案、すなわちニーズの先付ができれば、ニーズが継続するわけですから企業は成長し続けることになります。私たちが20代の若年層が買える住宅を追求することは、それにあたります。

 住宅のコストを下げるためには、資材の選択や施工段階はもちろん、流通段階や営業手法、広告宣伝などあらゆる面での合理化とコスト削減が必要です。私たちが進める「三次元ネットワーク」(工務店、不動産業者、設計事務所、資材メーカー、商社が主体となり、全国に建築の販売、施工、管理を一元化したネットワーク)は全国統一価格を実現しましたが、さらに会員の個々の現場におけるコスト削減と標準化を一層進めることにより、競争力のあるグループを作り上げ、そのことにより住宅産業をも大きく変えることができると信じます。

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