【連載125】住まい選択の基準が変わる
- 2020/08/03
コロナ禍により収入の道が経たれ、家賃支払いや住宅ローンの返済に困っている人の例がマスコミなどで取り沙汰されています。住宅ローン返済が困難になった中には、もともと収入に対してギリギリのローン設定で、日々の生活も切り詰め、貯蓄もなかなかできないでいたという人も少ないようです。
「給料は来年、確実に今年より上がる」「土地を買っておけば確実に値上げされる」という前提の世の中は既に終わっています。ましてや、区分所有のマンションなどをマイホームとして購入しても、そのローンでの支払いが完了した時には、払い続けた金額には到底及ばない低価値となってしまいます。
にもかかわらず、ローンでマイホームを建てる人はたくさんいます。子供の教育、若い時代にしておきたいレジャー等たくさんの楽しみを犠牲にしてローンを払い続けても、決して幸せな老後は得られない場合が多いということは、もはや定説になりつつあります。今回のコロナ禍は、そのことを別の形で顕在化させました。収入源でローンが払えず住宅を手放したくても、残債を払いきれず手放した後も残りを払い続けなければならないという悲劇があちこちで生じています。
私たちは以前から、日本の住宅の問題、ローンという借金で高額な住宅を購入する考え方に疑問を投げかけ、それとは別の暮らし方である「借りるマイホーム」、戸建賃貸の暮らし方を提案してきました。コロナ禍による経済の打撃と、それに伴う景気の悪化がどのような形で現れるかはまだはっきりとはわかりませんが、多くの人が将来に対する漠然とした不安を感じるようになった時、一生をかけて払い続ける借金=住宅ローンを選択する人は、今より少なくなるであろうことは予想できます。
私たちが提供する戸建賃貸住宅は、これまでの「借家」とは一線を画し、持ち家感覚の「借りるマイホーム」です。家を借りる時、家を購入する(建てる)時には、場所、価格(家賃)、間取り、それぞれの事情に合った条件やこだわりで選択します。そして、そのどれを優先するかで家を決めるわけですが、ほとんどの人にとって優先順位が高い価格の制約を考えれば、購入するよりも借りた方が他の条件を実現しやすいのは確かです。
コロナ禍により働き方が変わり、テレワークや時差出勤なども奨励されています。それらも踏まえ、今後、住まい選択の条件やこだわりにも変化が出てくるはずです。人々の住まい選択の基準、場所、価格(家賃)、間取り、それぞれの事情に合った条件やこだわり……それがどのように変わるのか、引き続き考えていきたいと思います。
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