【連載131】コロナ禍での暮らしの変化
- 2020/11/02
政府が緊急事態宣言を発令したのは4月7日ですが、すでに3月後半から外出自粛等による「巣ごもり生活」がはじまっていました。巣ごもりによる人々の消費活動は、例えばクレジットカード決済の集計などからも現れています。
三井住友カードの調査によれば、3月のクレジットカード決済は前月や前年同月に比べ件数も総額も低下しています。しかしその中で、スーパー、ホームセンター、通信サービス、ECモールは決済件数、総額ともに伸びています。家の中での時間が増えたため、ペット、書籍やCD、美容関連グッズ、自炊のためのキッチン用品などが堅調に推移。その反面、ホテル、博物館、映画などのレジャーは激減。まさにコロナによる暮らしの激変が見て取れます。
また、4月のクレジットカード決済では、20代から40代の層で「玩具・娯楽品」の購入でのカード利用が1位、「ペット関連」「ホームセンター」がそれに続き、50代以降では「ホームセンター」でのカード利用が1位となっています。このように、全年齢層で、「家で過ごす」ことでの消費に多く費やされていました。
この調査で注目すべきことは、スーパーおよびECモール・通販の利用はどの年齢層も増加していますが、60代、70代でECモールの利用が増えているということです。コロナ禍でインターネット利用が高年齢層でも加速度的に進んだと見ることもできるでしょう。
インターネットの利用では、3月以降にアクセス数が大きく伸びたWebサイトはニュースサイト、続いてエンターテイメント、そして「食」だったようです。この時期の人々の思考をよく表していますが、「食」関連では、関連してUber Eatsなどデリバリーサイトへの検索、そして利用が飛躍的に増えました。そして、続いてZoomなどテレワーク関連の検索・アクセスも急上昇したとのことです。
このように3月以降、オンライン購入の増加、外食自粛、テレワークなどに伴い、商品やサービスを購入・体験する場所が変わり、消費者の行動は変化しました。この多くは感染収束後も引き続き定着するものと見られます。
そして私たち住宅産業が見逃してはいけないことは、様々な分野で在宅需要が定着するということです。巣ごもりで料理をする人が増え、オンラインフィットネスの利用者も増加しています。雑貨・家具・家電の購入意向やリフォーム需要が増加するなど、「おうち時間」の充実を図るための消費、在宅需要が増えました。こうしたことが住まいのニーズとしても定着すると考えた時、私たち住宅産業は、それに応えた商品を開発し、提供していかなければならないと考えます。
以上を前提として、本部ではコロナ後を想定した新しい商品として「ワークスペース付き規格型小規模住宅」を開発しました。