施工店 販売店インタビュー 016

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戸建賃貸住宅提案
JAの強みを かした
ビジネスとなる

ジェイエイながのサービス株式会社 
賃貸住宅部課長 稲田 広二 氏 

糸田氏

 JAグループの不動産部門として、その強みを活かせるビジネスに戸建賃貸住宅を選択したジェイエイながのサービスの取り組みと、長野エリアの賃貸住宅市場について伺いました。

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ジェイエイながのサービス株式会社
 JAながのの不動産事業部門が独立し、別会社として約20年前にスタート。長野市を中心に、千曲市、須坂市、飯山市とその周辺を商圏エリアとし、JA組合員はもちろん、広く一般の賃貸仲介や土地建物売買を行っている。



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本社/長野県長野市三輪
   1丁目1-16
電話/026-256-8882
https://www.jns-net.jp/

◀左・右:社屋






  農協は「戸建貸家に強い」イメージ

ーー戸建賃貸に着眼した理由は。

稲田 大手の仲介チェーンが店舗を増やす中で、以前から不動産仲介業者として何か特色を持たなければ競争に勝ち残れないと考えていました。独自の特色ある物件を持つ必要を感じていたわけです。JAの関連会社だからといっても、組合員がハウスメーカーなどで連棟(アパート)の賃貸を建てれば、ほとんどが入居保証付きですから当社の出番がありません。一方で、「農協だから」ということでしょうか、「戸建貸家に強い」というイメージを持たれているようで、ここは強みではないかと考えました。確かに、扱い物件では他の仲介業者に比べて戸建貸家は多い。そのような中で、前任の賃貸部長の原山が洋館家さんの存在を知り、以前から建築を依頼していた地元の匠建設にご協力いただいて取り組みを始めました。匠さんとともに洋館家の本部に行き、また福田社長ら本部の方々にこちらに来ていただき、いろいろ勉強しながら進めてきました。
 戸建の賃貸住宅は根強い人気があります。しかし大半は古い。当社の扱い物件も昔ながらの貸家ばかりですし、新たに建てようとするオーナーは、大抵、連棟を選びます。新しい戸建物件が供給されていません。コストが安くてそれなりの家賃がとれる建物というのがなかなか造れなかったからだと思います。洋館家さんの商品はその点を解決してくれました。



  建て替え需要に戸建賃貸を提案する


稲田 20年前、長野オリンピックの前の好景気の時にたくさんのアパートが建ちました。それらが建て替えの時期にきています。しかし、このエリアも空室は増えています。当社が分離独立する以前から、農協としても賃貸住宅の建設を行っていましたし、融資は今も農協の主力事業です。ですから組合員にはたくさんの賃貸オーナーがいますので、この方々に建て替え後も安定した賃貸住宅経営をしていただきたい。大手ハウスメーカーで大きな投資をして連棟を建てても、20年前とは違い、投資を回収できる保証はあまりありません。ニーズの高い戸建賃貸を低価格で建てていただけばリスクも低いですし、分割して売ったりすることもできますから相続面でも有利です。
 戸建賃貸としてはまだ5棟6世帯分だけですが、これが入居者がすぐ決まり、しかもこのエリアとしてはなかなかいい家賃がとれました。若いファミリーばかりですから、長期入居も期待できます。この成功事例をもとに、今後、どんどん提案していきたいと思っています。
 今年の5月には、農協のオーナーさんの会「貸家部会」が、市内4ヵ所で洋館家本部・福田社長のセミナーを開催しました。皆さんの関心も高かったので、今後の引き合いに期待しています。



(左・右):5棟6世帯 ※写真をクリックで拡大


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長野駅近郊に建設された物件は、近隣よりも高めの家賃設定にもかかわらず満室となっている。


 空室対策のために管理やリフォームにも力を入れる topics1

--賃貸物件の管理はどのようにされていますか。

稲田 当社の仲介物件の多くはオーナーさんの自主管理です。自主管理ですと清掃が行き届かなかったり設備の更新がされなかったりしますから、年月を経て物件の競争力が低下します。すると空室が出てもなかなかうまりません。賃貸経営に関するさまざまな情報を集めて実践しているオーナーさんもいらっしゃいますが、農協組合員のオーナーさんの多くはのんびりしています。これからは手をかけない物件には人は入りませんから、そのあたりをご説明して、管理費を払って維持メンテナンスを任せていただくようご提案しています。農協の組合員オーナーにはこれまでも無償で管理関係のサービスをしていましたが、しっかり管理報酬をいただいてそれに見合った管理を行うことに力を入れています。さらに築20年を経た物件が増えていますから、リフォームなども含めてお手伝いしています。そのようにすることが、結果としてオーナーさんの賃貸経営を安定させることになると思います。

 一般住宅や保育園も洋館家商品で建築 topics2

--戸建賃貸以外の洋館家商品の販売も行われているようですね。

稲田 匠建設さんと協力し戸建賃貸以外でも洋館家さんの商品を販売しています。アパートオーナーの年配のご夫婦が家を新築されるというので洋館家の平家「和み」をご提案しました。また、変わったところでは保育園。2棟の戸建賃貸を予定していたオーナーさんに、保育園を“入居者”として2棟の間を廊下でつなぐことを提案しました。オーナーは安定した入居者を得、保育園は建設コストを軽減したわけです。

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「老後を楽に暮らしたい」という年配のご夫婦のご要望に、洋館家の「和み」を提案。
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2棟の戸建賃貸を連結した保育園(長野市三才)。



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  組合員の理解も得て管理・リフォーム充実へ

--入居者ニーズをとらえた設備が必要ですね。

稲田 そうです。インターネットの利用環境やシャワートイレ付温水便座など、いまの入居者のニーズに応えた設備更新を積極的に行っている物件はすぐに入居者が決まります。また、入居者の大半は事前にインターネットで情報を比較検討したうえで、内見に来店します。
 こういう情報に敏感なオーナーさんが、結果として賃貸経営で成功します。このエリアで多数を占めている築20年過ぎの物件には、いまの入居者ニーズに応えた物件は少ないので、改善をすることで入居率はアップします。古い物件のリフォームではどれを取り入れていけばいいかをオーナーさんに提案していきます。リフォームは、当社としても力を入れていきたい分野です。
 また、近年、入居者クレームも増えています。「こんなことになぜ文句を言うのだろう」ということもしばしばあります。こうした対応では、管理会社にきちんと業務を委託しておいた方が安心だということをオーナーさんに理解していただくことも大切だと思います。当社は農協の関連会社として地域密着の営業方針でやってきました。しかも組合員を中心に営業をしてきましたが、その良い面は残しつつ、新しい時代に対応した営業スタイルもオーナーさんらにご理解をいただきつつ進めていきたいと考えています。



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