施工店インタビュー 009

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益崎秀輝 氏


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「固定客」づくり

 有限会社 益崎建設
 代表取締役 益崎秀輝 氏




 現社長の益崎秀輝氏が地元ゼネコンから独立し1990年に設立。住宅建築・リフォーム・設計施工のほか、アパマンショップ加盟の賃貸、不動産仲介なども手がけている。


有限会社 益崎建設
本社/広島県尾道市高須町1373-5
電話/0848-46-2995
http://masuzaki.co.jp/


◀ 益崎建設



地域顧客との接点づくりのために、情報誌の発行やガレージセー ルなど定期的なイベントを継続している益崎建設・益崎社長にイ ンタビューしました。

  連携できるしくみだった

ーー洋館家グループ加盟の経緯は?

益崎 洋館家グループへの加盟は2012年です。アパマンショップの担当者から「こういうのがあるから、一緒に話を聞きに行きませんか」と誘われ、博多にある老舗の不動産会社で説明を聞きました。そこで戸建賃貸住宅をはじめとした洋館家の商品やしくみを知り、加盟することにしました。
 もともと私は地場のゼネコンにいました。そこで仕事を覚え、独立させてもらいました。起業当初は前職のゼネコンの元請け会社などのつながりで仕事をしていました。しかし時間がたてば人も入れ替わります。担当者が変わっていくのに伴って、昔のつながりで入っていた仕事が徐々に減ってきました。新しい仕事へと広がりを持たさなければ生き残れないと、いろいろと模索している中で、洋館家との出会いがありました。

ーー実際に加盟してみてどうでしたか?

益崎 フランチャイズなど、いろいろなしくみを研究しましたが、洋館家は入会金も安いし、こちらが動けるしくみであるという点がいいと思います。私の場合は、アパマンショップさんと連携して、これまでに4棟を建てました。1棟目と4棟目はアパマンショップさんの紹介、2棟目は妻(専務)の知人の弟さんでした。

  大手との競合をいかに勝ち抜くか

ーー戸建賃貸の営業をしていく中での苦労は?

益崎 お客様は、同じくらいの価格であれば一般的によく知られている大手の会社の住宅を選びます。当社はもちろん、洋館家も一般の知名度はまだまだです。
 また、大手はモデルハウスという強みもあります。たとえ同じ仕様で洋館家の商品が安くても、モデルハウスを見てそちらに決めてしまうケースも多い。大手メーカーはモデルハウスの隣に事務所があり、そこでローンを計算してみせて「金額がこのくらいプラスでも、ローンを組むとこれくらいですよ」と、すぐに提示します。するとお客様は「買えるじゃないか」ということになるのです。やはり常設の展示場があるのは強い。
 我々は、建てた住宅をお客様が展示用として貸してくださっても、1回しか展示ができません。それも1ヶ月も貸していただけるわけでもなく、土日の2日間だけというのがほとんどです。「実際に見ていただく」ということをどうやっていくか、それが課題です。

ーー尾道エリアの戸建賃貸ニーズは?

益崎 市の中心部は空き家がかなりあります。新しいところにマンションを買う人が増えて、尾道市の人口は毎年7,000人くらいずつ減っており、今後も減り続けるでしょう。そうなると住宅の新築も停滞するはずです。一方で、賃貸の戸建住宅があったら入居したいという人はかなりいると思います。良質の戸建賃貸はまだあまり供給されていませんから。
 当社のお客様や営業でお声がけしている方々は、土地を持っている方が多く、それを駐車場として貸しているケースもかなりあります。でも、そこに賃貸住宅を建てるかというと、所有者ご自身がもう高齢で、そろそろ介護施設に入らなければいけないなどと仰っている状況。そうなると賃貸経営をやってみようという意欲にはつながりません。でも、次の代に引き継ぐと、その人が税金を払わなければいけなくなります。相続での財産分けのゴタゴタを防ぐために、戸建賃貸を活用しましょうという提案はできると思います。まだまだ我々の営業力が至らないのですが、間違いなくニーズはあります。

  小さなイベントでも続けることが大事

ーー会社として取り組んでいる営業活動は?

益崎 1998年から、ガレージセールを開催しています。地元での認知度を高め、お客様を増やしていくための自社イベントです。きっかけは、建材メーカーさんと取引している中で「これからは元請けですよ」と言われたからです。下請けで仕事をもらうだけでなく、自社でエンドユーザーに直接住まいを売る。そういう営業をしていくためには、まずは地元の方との接点づくりが大事だと考えたのです。
 ガレージセールでは、300坪くらいの土地を2~3日借りてテントを張り、真ん中にステージも組みます。そこで魚や野菜を販売したり、不用品のフリーマーケットをしたり。銀行や設計事務所の相談コーナーも設けました。最初は会社近辺に配られる新聞にイベント告知を出して、その後は徐々に範囲を広げていきました。新聞に広告を出したのは新規のお客様を獲得するためです。そうしないと既存のお客様や知り合いだけになってしまいますからね。
 我々くらいの規模の会社では、集客するお客様は何百人単位です。このようなイベントで徐々に増やし、つながりをつくっていきます。現在、定期的にDMを発送しているお客様は600人ほどです。イベントだけではなく、小さな活動も「続けること」が大事だと思っています。小さいながらも新聞を出し続けていますし、お客様への年賀状や暑中見舞いも欠かしません。
 例えば鉄筋屋さんとはゼネコンを辞めると縁がなくなりますが、それでも1年も2年もご無沙汰して「誰?」と言われないようにしたいのです。季節の挨拶をし続けることによって、20年も仕事上の付き合いがなくても「何かあったらお願いしますね」という話ができます。お付き合いを続けていくことが一番の財産であると、私は思っています。

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 情報誌「住まいの情報局!!」を毎月発行topics

専務

益崎建設では益崎千枝専務が、自社のミニコミ情報誌「住まいの情報局!!」を毎月発行。ダイレクトメールなどで配布しています。

益崎専務 「住まいの情報局!!」は当社の催し物やメーカーショールームの紹介など商売に関連するものだけでなく、季節の話題など、お客様とのコミュニケーションづくりになる話題を掲載しています。休日に出かけた場所の写真にコメントを添えた「専務の気まぐれ日記」はとても好評で、「私もそこに行ったよ」「今度はここに行ったら」などとお客様からコメントをいただくこともあります。毎月欠かさず出すのは大変ですが、読んでいただいていると思うと励みになります。

情報誌

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  持ち家として売る場合は工夫が必要

--持ち家用での販売をしたと伺いました。

益崎 個人の持ち家としてユニットワンを建てて感じたのが、賃貸仕様であるため、どうしても設備面で大手メーカーに比べると見劣りしてしまうということ。個人の場合は設備がポイントで、特に女性は台所を重視します。ユニットワンは賃貸用のステンレス。例えば夫婦でユニットワンを見たら、その帰り道に女性は「あのキッチンはちょっと」となってしまいます。持ち家仕様のキッチンとなるとオプションで14万円ほどプラスになりますが、この14万円で売れるか売れないかが決まるなら、初めから組み込んでもいいと思いました。



ーー 洋館家への要望は?

益崎 栃木の環境に合わせて設計されているので、正直、予算的にきつい部分もあります。例えば栃木は排水をつながずに済むようですが、こちらは排水工事が必要。他にも生コンの価格差、現地調達の屋根、外壁の手間、大工の日当なども関わってきます。このあたりは、もう少し本部と相談したいところですね。
 価格や材料の見直しは、毎年あってもいいと思います。洋館家HPでは「価格変更」とありますが、それほど変わってはいません。チラシやパンフレットの対応が大変でしょうけれど、全体の見直しも行っていただきたいです。また、パンフレットに関しては、簡単なチラシや案内のようなものがあると助かります。
 我々のような小規模な会社は、ローン計算が苦手、営業が苦手など、不足している部分があります。ローンの勉強をしたりパンフレットをそろえたりしても、長くやっていると古くなってきます。本部では新しいパンフレットを作っているのかもしれませんが、我々はパンフレットを買いそろえるまでには至りません。洋館家の名前が入っているチラシでもよいので、提供していただけると助かります。



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