施工店インタビュー 011

バックナンバーはこちら




長谷波氏
地域密着
不動産業での実績
建築にもかしたい

有限会社レインボー不動産
代表取締役 山形昌之 氏




不動産業として1989年に創業、2000年に有限会社に変更。建築等の事業拡大に伴い、2005年1月に事務所を移転した。地元密着型の不動産会社として事業を展開している。

ハセバホーム


有限会社レインボー不動産
本社/兵庫県あわじ市市福永559-2
電話/0799-42-2193
http://rainbow-awaji.co.jp/

◀ レインボー不動産



売買や仲介中心の不動産ビジネスから、実際に建物を建てて供給 する建築ビジネスに進出したレインボー不動産・山形社長のお考 えをご紹介します。

  パッケージ商品であることが大きな魅力

ーー会社の創業と戸建賃貸住宅に参入した理由は?

山形 私はこの地で生まれ育ちましたが、社会人としてのスタートは大阪です。大阪本社の会社の名古屋支店でごく普通のサラリーマンとして勤めていました。しかし体を悪くして故郷に戻り、不動産業を始めました。平成元年のことです。仲介や売買など不動産の仕事を進めるうちに、リフォームや建築の分野も事業にしていこうと思い、少しずつ着手していました。
 淡路島の南部になる当社周辺でも、戸建賃貸住宅はまだあまりありません。昔ながらの二軒長屋のような借家はまだ少しありますが、それ以外は一般住宅として建てたものを借家で貸していたりします。
 洋館家グループについては、福岡の勉強会・ビス経営アカデミーを通して知りました。加盟を決めた理由としては、①パッケージ商品なので自由設計のように細かい仕様を決める作業がいらず扱いやすい、②住宅ではないので施主からの指示がない、③戸建賃貸の需要が非常に高く、興味を抱くオーナーも多い、④低コストで建てられ、鉄筋コンクリート3LDKと同等の賃料でも経営が成り立つ、等が挙げられます。



ーー洋館家商品の販売実績をお聞かせください。

すまいる通信
すまいる通信

▲ 同社が手掛けた物件

山形 不動産業界からの参入ですから、加盟した当初は、正直、新商品の開発状況や部材の発注等について不安がありました。でも、商品開発は進んでいますし、発注方法も親切に教えていただいて、一人でできるようになりました。
 これまでの実績は3棟。1棟目は姫路のハセバホームさんのご協力で私の自宅裏の土地に戸建賃貸として建てて、見学会も開催しました。1棟目でいろいろと勉強させていただいて、2棟目と3棟目は発注から施工管理まで私自身が手掛けました。
 2棟目のお客様は当社ホームページで戸建賃貸を知り、洋館家本部に詳細を問い合わせてから、こちらに来られたというお客様。3棟目のお客様は安い中古住宅を探していたので、「その予算で新築ができますよ」と戸建賃貸をお見せしたところ、トントン拍子で決まりました。

  地元での認知度アップをはかりたい

ーー施工や営業でのご苦労は?

山形 2棟目3棟目では施工管理までやったとはいえ、普段の仕事をしながらなので、常に見ていることはできません。そのためサッシや外壁に凹みや傷がついてしまったのです。幸いにも大きな被害ではありませんでしたが、修復費が別途かかりました。私のように、監理者をおかずに施工をしている場合にはトラブル時の責任所在が不明確になりやすいと、今後の反省材料を得ました。
 施工面では、やはりこのあたりでも職人不足の問題があります。人の確保は橋を渡っていかねばならないので、ハセバホームさんはじめ、洋館家グループのネットワークは心強いです。
 また営業面での悩みとしては、長年この地域で不動産屋として営業してきたため、どうしても建築業として見ていただけません。「レインボーホーム」等への社名変更も検討しましたが、今の時点では戸建賃貸の営業が中途半端な状態なので迷っています。見学会の際にも、住宅の見学会であるのに「土地込みの価格ですか」と聞いてくるお客様もいたので、やはり建築よりも不動産のイメージが強いと痛感しました。地元で長年やってきた「レインボー不動産」の名があるから信用してもらえるということもあります。今は「レインボー不動産・住宅部」としていますが、今後、これをどのように解決するかも課題のひとつです。

  地元のオーナーに提案

ーー戸建賃貸の営業はどのようにしていますか?

山形 当社の営業は私一人なので、空き地を調査してローラー作戦を行うといった営業はできません。主にオーナーへの働きかけ、相談を受けた際に戸建賃貸の有効性をアピールするなどの活動を続けています。また、相続対策を考えている方も多いので、今後はその掘り起こしもしていきます。具体的には、土地を持っているオーナー様や中古住宅の仲介を依頼される方に対して積極的に戸建賃貸をお勧めして、複数棟の実績を上げたいと思っています。
 この近辺には戸建賃貸はほとんどありません。一般住宅として建てて借家にしたものはありますが、家賃が15~16万円というとなかなか入居者は見つかりません。賃貸に住んでいる層としてはファミリーや新婚夫婦が多く、2L~3LDKが中心です。家賃は鉄筋の3LDKで8万円くらい、木造で7万5,000円くらいです。このような土地柄で、洋館家モデルなら一戸建てで、ペットも飼うことができるとなると、従来の賃貸とはかなり差別化できると考えています。
 このあたりは神戸まで1時間ちょっとで行けますから、まだまだ住宅は建ってくると思います。神戸にすぐ行けるということは、大阪や神戸の業者が入ってきやすいということでもあります。でも、一般住宅での競争は大変ですが、戸建賃貸であれば戦えると思っています。




レインボー不動産の情報誌「スマイル通信」はホームページにも掲載されている。
http://rainbow-awaji.co.jp/pdf/152.pdf


web限定記事
もっと読む




  相続対策提案での掘り起こしも

--今後の営業展開はどのようにお考えですか。

山形 「地方でローンを組めるのは公務員だけ」と言われることがありますが、このあたりでも同じような状況です。そうなると、良い戸建の賃貸住宅のニーズはますます高まるでしょう。また、相続対策も大切です。土地や財産がある方は、賃貸住宅を建てることも当然検討されているので、そこに提案していけばいいと思います。まだまだ掘り起こしがしっかりできていませんが、じっくりやっていくつもりです。



  競争力の高い商品の開発を

--洋館家への加盟の理由は?

山形 洋館家に加盟する前にも別のつながりで3~4棟の新築を手掛けました。それらはメーカー直ではなく地元の問屋を通して安くなる仕組みでした。そのため価格にバラつきがあり、値段交渉がスムーズにはいきませんでした。しかし洋館家は価格が決まっていますし、搬入建材の中には、メーカーが施工や工事をやってくれる物もあります。人手がなく、経験もまだ浅い当社にとってはなによりで、それが加盟の決め手になりました。



--洋館家本部への要望は?

山形 特別に強く望むことはありませんが、しいて言えば関西方面でも施工管理の研修を開催していただけるとありがたい。また、最近はいろいろな会社が戸建住宅に力を入れ始めたので、より競争力のある商品、差別化できる商品の開発をお願いしたいと思います。



top