メーカーインタビュー 003

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高品質な商品と施工技術で
戸建賃貸住宅の
全国展開をめざす


ニチハ株式会社
西東京営業所長  大西聡 氏(上)
西東京営業所   吉見信夫 氏(下)



住宅の顔を決め、かつ耐久性の重要な部分を担う外壁材。そのトップメーカーであり、洋館家モデルの外壁材を供給するニチハで、洋館家グループへの出荷等を現場で担当する西東京営業所長・大西聡氏と担当の吉見信夫氏に、現場からの声を伺いました。





  汎用モデル上位モデルそれぞれに最適品を供給


▲ Fu-geサンプル

ーー洋館家に供給している商材は?

大西 洋館家様へは外装材と、金属の屋根材を採用いただいています。外装材のメインは、ユニットワンに使用していただいている「モエンサイディングM」です。厚みは14ミリ、ローコスト・高品質を実現しています。この外壁材は、昭和49年か ら販売を続けている歴史ある商品です。
 また、上位モデルの住宅には、高機能商品「Fu-ge(フュージェ)」を提案中です。一般的な壁材は、10年くらいを目途に塗り替えなどのメンテナンスが必要とされますが、Fu-geの場合は約30年間、手間をかけずに済むのが特徴です。メンテナンスコストを大幅に圧縮した、最新型の商品です。この商品は見た目という点でも進化しています。一般的に、サイディングの壁はシーリングで接ぎますが、Fu-geは上下左右に実(さね)を作ることでサイディング左右接合部のシーリングをなくしました。それによりフラットで一体感のある壁面に仕上がるのです。その仕上がりの美しさと優れた耐久性やメンテナンスコスト削減が高く評価されて、2014年度のグッドデザイン賞を受賞しました。



▲ 外壁材「モエンサイディングM」



「Fu-ge」四方合いじゃくり仕様 ▶

  配送コスト削減が課題

ーー貴社の商品・サービスの強みと課題は?

吉見 当社商品の大きな強みは豊富なラインナップです。ユニットワンで採用いただいているシンプルラインのカラーバリエーションは8色あります。洋館家様の他のシリーズに関しても日本風にするのか、洋風にするのか、あるいはモダンな雰囲気が良いのかなど、イメージに合うものを選んでいただけます。どのような路線の住宅でも対応できる自信があります。また、当社の外装材には、雨水で汚れが落ちる「マイクロガード」も装備されております。汚れに強い機能で耐候性を高め、キレイな家を長持ちさせます。

大西 商品に対する自信はもちろんですが、全国各地に流通拠点があるので、どこからの注文でも基本的には同じ流れで手配ができるのも強みと言えます。実は、 建材メーカーにとって、物流というのは大きな悩みの一つなのです。全国に拠点を持つということは、施工店様の安心につながるだけではなく、タイムリーに安定的な納材ができるという点で、皆様に評価いただいています。ただ、そうは言っても1つの現場につき1回きりの配送では終わらないことが多い商材ですから、配送コスト削減は当社にとっても大きな課題です。発注体制や在庫管理、現場管理に至るまで、洋館家様とご一緒に合理化を考えていければと思っています。

  施工水準の向上のために認定試験も

吉見 サービス面では、施工店様には認定施工店制度を設けています。各地で定期的に認定試験を行い、監督される方、施工される方、シーリング技能を持っている方が揃えばニチハの認定店として登録が可能となります。登録店はニチハHPに掲載されますので、「技術がしっかりしている工事屋さんにお願いしたい」という時にはHPでも検索可能です。さらに、施工指導も行っています。名古屋工場と習志野工場には施工を勉強する施設もあり、そこで実技と座学を受講することもできます。

大西 住宅の壁にサイディングを使うメリットは、仕上がりにバラつきが生じにくいという点が挙げられます。サイディングであれば安定した仕上がりが確保できます。これは工業製品の利点であり、モルタル壁などは技術での仕上がりの優劣が生じ易いと言われています。さらに工期の面でもメリットがあります。例えばモルタルなどは雨が降ると工事を進められませんし、塗ってから乾くまで雨に降られるのも困ります。一方、サイディングは施工後に雨が降っても、ほとんど支障ありません。建築にかかわる方であればご存じのことだと思いますが、このようにコスト面、メンテナンス面、工期の面などを総合的に考えると、サイディングが最良の選択肢であると言えるでしょう。いま、住宅の仕上げ材としてはサイディングが7割以上のシェアを持っています。


住まCoサイト https://www.sumaco.jp/

 施工は比較的安定していると申し上げましたが、それでも施工品質の標準化のためには技術研修は必要であり、認定施工店制度を推進することで、それを確立していきたいと考えています。

吉見 加盟店様への営業支援では、お施主様が完成物件をイメージしやすいように、パソコンやスマートフォン、タブレット端末上で外観コーディネートができる「住まCo」というサイトがあります。リアルな3D画像を使用して、外壁材や玄関ドア、サッシなどの着せ替えが画面上で観られるようにしています。これもぜひ活用していただきたいで すね。

  戸建賃貸の事業の拡大を望む

ーー洋館家グループへの期待は?

大西 当社の商品は主に一戸建てやアパート用で、大型マンションには使用する事ができません。戸建賃貸の事業が活発化し市場が拡大することは、当社商品の販路が拡大することに直結します。注文住宅同様の高品質な外装材を採用した新しいタイプの戸建賃貸住宅は、まだまだ知られていないと感じています。グループの皆さんの力で、戸建賃貸住宅の露出度をもっともっと高めていってほしいと思っています。

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  企業紹介

外装材で業界トップシェア

ニチハ株式会社
 昭和31年に木材資源の有効利用を目的に日本ハードボード工業株式会社として設立。その後、合板製造から建材を主力とする事業に転換し、昭和63年にニチハに改称。以後、ブランドはすべて「ニチハ」に統一している。現在、窯業系建材メーカーとしてメイン商材の外壁材は業界トップシェアを誇る。商品は、外壁材のほか、内壁材、屋根材、外装部材、耐力面材、断熱材、耐火材など。豊富なラインナップと全国に拠点を設けているのが強み。
売上高は1,100億円(平成28年3月期の連結業績予想)
本社・名古屋市中区錦二丁目18番19号
WEBサイト http://www.nichiha.co.jp/


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  ニチハエコ外装プロジェクト

担当者
▲ 大西氏(左)と吉見氏(右)

大西 当社では「素晴らしい人間環境づくり」を企業スローガンとして掲げ、循環型社会の実現に向けてさまざまな取り組みを行っています。その総称が「ニチハエコ外装プロジェクト」です。このプロジェクトはニッポンの森を守ります。木を切らなければ、森は守れません。矛盾しているようですが本当のことなのです。木と木の間隔を保ち、陽の光をまんべんなく届けることで若い木がCO2を盛んに吸収して地球温暖化の防止につながります。現在では適切な間伐が行われず、森の高齢化が問題となっています。木材の利用を促進して森を守りたい。その思いから生まれたのが国産木材チップを使用したニチハの「オフセットサイディング」です。製品開発でのこうした姿勢は、加盟店の皆様にもぜひ知っていただきたいと思っています。
WEBサイト http://www.nichiha.co.jp/company/carbonoffset/index.html

  リフォーム需要喚起にも外装材を

ーー 今後の取り組みは?

大西 外装材の業界は住宅着工とリンクしますから、私たちはその動向をみていかねばなりません。会社全体でもさまざまな取り組みを行っています。当社の商品は、基本的に住宅に使うものではありますが、公共施設や商業施設などの非住宅部門にも積極的に携わっています。また、リフォーム展開にも力を入れており、リフォーム需要の喚起においても、当社の商品で全国の加盟店様と一緒に仕事をしていけるのでははいかと思います。



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