施工店インタビュー 005

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近藤氏


成約までの
スピードの速さも魅力

株式会社 藤工務店
近藤 真哉 氏





   株式会社 藤工務店
   本社/愛媛県今治市石井町1-1-9
   電話 0898-33-1222
   代表取締役 近藤博
   http://fuji-komuten.co.jp/

現社長・近藤博氏の父親が一級建築士事務所として1957年に創業、1960年に法人化。四国電力「電化スマイル会」、四国ガス「パートナーサークル店」に所属し、エネルギーにおいてもあらゆるニーズに応える住まいづくりを行っている。また、近藤社長は今治市議を5期務め、地域に貢献している。



四国・今治市で創業58年の藤工務店の後継者、近藤真哉氏に、同エリアにおける洋館家商品の展開について伺いました。


  見学会で商品を見ていただく

ーー洋館家の商品の販売方法は?

近藤 最初は注文住宅では予算的に厳しいという方に、規格住宅として提案しました。するととても喜んでもらえました。これは良いPRになると思いましたが、建てた方の家の前で「この家はいくらです」という宣伝をするわけにもいかず、次の機会を待っていました。たまたま当社の分譲地で1カ所だけ土地が余ってしまったところがあり、そこに『ユニット・ワン』を建てて土地建物で売り出しました。相場よりも500万円も安く売り出すことができましたから、大いに宣伝になりました。
 その後は、見学会に協力いただけるお客様や、値段を公表してもいいと仰るお客様もいて、多くの方に知ってもらうことができました。「安いけれど大丈夫だろうか」という方は多い。そういう方が、実際に見に来て「大丈夫だ」と理解して、採用してくださっています。物件が建てば、それを見た周囲の方から必ずと言っていいほど発注がくるのです。

分譲地
▲ 分譲地に建つ『ユニット・ワン』

 実物を見ていただいたり、カタログから選んでいただき、価格が明確に提示できるわけですから、お客様の決断も速い。注文住宅の場合には、打ち合わせ、図面、契約に至るまで時間がかかりますが、洋館家の場合には形が決まっているので、建てようという気持ちに早いうちに持っていけるのも良い点です。営業活動、商談というのはコストですが、そのスピードが速いというのは、これもまたローコストにつながります。

  情報やネットワークの提供も求める

ーー商品や洋館家に対する要望は?

近藤 今治市周辺の地域では、50坪の土地に30数坪くらいの建物を作って、和室がもう1部屋あると良いという要望がたくさんあります。洋館家プランでは少し小さいと、実際に1部屋建て増しする例もあります。規格住宅ですから、コストを抑えて標準化しなければならないと思いますが、洋館家のメンバーには地方の会社も多いと思うので、地方向きの大きめのプランが2~3プランあるといいのではないでしょうか。

工事中
▲ 建築中の物件。和室を1室“増築”している

 私は、さまざまな方と知り合って、人脈を作り情報を得ていくことが、仕事をしていく上で大切だと考えています。洋館家さんには、良い商品を提供していただくのはもちろんですが、さまざまな情報や人のネットワークをどんどんいただけることを期待しています。

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 地元で50年以上の信用と良い商品とで選ばれるtopics

 

藤工務店の沿革とこれまでとこれからの取り組みについて、社長とともに長年同社を支えてきた夫人の近藤昭美さんに伺いました。

昭美夫人 社長は大学卒業後、メーカー勤務等を経て、両親が経営する当社に入社しました。30代の半ば頃、低価格住宅の組織づくりに関わって、そのとき、洋館家グループの福田功社長と知り合いました。その後、2人ともその組織とは少し離れて活動することになりますが、低価格住宅の実現というのはずっと社長の頭の中にあったようです。
 福田社長と20年以上、年賀状のやり取りをしていましたが、あるとき、大阪でセミナーがあるというので、社長と息子とで聞きに行きました。そして、今から5年前の平成22年、福田社長の会社、晃南開発と業務提携をしました。これまでも、いろいろな低価格住宅の提案を聞き、フランチャイズのようなところにも加盟しました。でも、洋館家のシステムは、ただノウハウを提供するだけでなく、材料の流通段階からやるということが、これまでのものと違うと思いました。そして何より、福田社長なら信用できると考えたからです。

社屋
▲ 社屋

 この地域で、若い人が35年ローンを組んで家を建てるというのは、なかなか大変です。安くて良い住宅を提供したい、そういう考えに洋館家はピッタリです。私はよくお客様に「地元で50年以上続いたことだけが取り柄」と言っていますが、良い商品を持つことでこれからもお客様に選んでいただけると考えています。




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 若い層を狙った営業活動を模索topics

 

同社では今、若い層を狙った営業活動を模索しています。担当する黒川敦彦社員に伺いました。

黒川 家を建てたいと言うのは若い人が多いので、営業などの接客をする側も若くなければ、と思います。世代が違うと会話が成り立ちませんし、感覚やセンスも違います。
 また、住宅建築の選び方もWebのみになってもおかしくないと思います。紙媒体のレスポンスが落ちていますから、Web広報の強化は必須です。当社でもホームページを新しくし、さらに充実させたいと考えています。

黒川氏
▲ 黒川氏
HP
  ▲ 藤工務店のホームページ


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  バリエーションを豊富に

ーー黒川さんの洋館家に対する要望は?

黒川 新しいプランをどんどん出していただきたいと思います。お客様のニーズは日々変わっていくので、日進月歩という感じでやっていただけたら嬉しいです。デザイン性も、もっともっと追求して欲しいという声もあります。金額にはね返ってきてしまいますが、もう少しこだわりがあると魅力を感じてもらえると思います。
 家を建てるお客様は夢があります。最初は「建てばいいです」と言っていても、商談でお互いに打ち解けてくると、あれも欲しい、これも欲しいとなって、「ちょっとこの予算では無理です」となることもあります。注文住宅の場合には多少のやりくりができますが、規格住宅では難しい。かといって全てを追加注文にすると相手も引いてしまいます。バリエーションやオプションの提案が充実できれは助かります。



  オーナー営業や顧客管理を充実させる

ーー これからの事業展開での課題は?

近藤 まず、洋館家さんの提案である戸建賃貸住宅については、まだまだ需要はあるわけですから、その事業を確固たるものにして、生き残れるようにしないといけないと思っています。
 戸建賃貸は相続対策にも良いことはわかっていますが、当社ではオーナーさん営業の体制がまだできていません。地元の不動産屋さんと接点を持って、相続などでメリットを出せるオーナーさんがいらっしゃればお声がけしたいと思っています。
 また50年以上地元でやっているのですから、既存客は相当数になります。以前は、あまりしっかりとした顧客管理ができていませんでしたが、こうしたお客様へのアプローチも徐々に進めています。やることはたくさんあります。
 人口減に伴い、住宅関連産業はかなり厳しくなってきています。今治に限らず、どこの市町村も県庁所在地以外は衰退しているようですし、県庁所在地である松山の同業者に聞くと、そちらは業者の数も多くて競争が激しいので決して楽とは言えません。消費税10%以後の消費の冷え込みも懸念されるところです。当社は今後、地元のリピートを増やすことを大切にしたいと考えています。

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