施工店インタビュー 004

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年収300万円で
マイホームを!!

興陽商事有限会社 代表取締役
佐々木 敬史 氏





本社
▲ 呉服屋時代から
駅前アーケード街にある本社

興陽商事 有限会社
古くからの呉服商を母体に1975年に設立。建築・リフォーム事業をコンサルティング営業で展開。松山市、松前町に拠点を持つ。

本社/愛媛県四国中央市川之江町1655-3
   電話0120-272-064





愛媛県四国中央市から松山市周辺、さらに瀬戸内海側へと進出をめ ざす興陽商事。これまで一戸建てを諦めてきた一般サラリーマンや 転勤族などをターゲットに、事業を展開しています。

  地域性を踏まえ低コスト住宅を供給

ーー貴社の洋館家商品の取り扱いは?

佐々木 もともと私は自分で試さないとお客様には勧められない性分なので、住まいの提案は、実際に自分が経験して、相続対策もやってみて、どうだったのかを踏まえながら提案をしています。賃貸も自分でやってみないといけないと思ってはいましたが、なかなかできませんでした。
 あるとき、東京の方から川之江で持っている不動産について相談がありました。ちょうど『シェリー・メイゾン』が登場したときで、これを「お金はないけれどアパート代を払うのはもったいない」と考えている新婚さんに勧めたら、うまくツボにはまりました。
 愛媛はサラリーマンの給料が全国36位で、公務員の給料が全国3位です。サラリーマンの年収は平均390万円で、公務員なら平均790万円の年収がある、こんな土地柄です。一般のサラリーマンに住宅を届けようとしている私たちは、かなり厳しい中にいますし、諦めているお客様もいます。
 そこで、私は『年収300万円でマイホーム!?』という本を出版しました。年収が300万円あれば、今の金融システムなら2,500万円ほど借りることができます。土地が800万円くらいで諸経費を100~200万円ほど払って、残りが1,500万円。洋館家の『シェリー・メイゾン』なら1,250万円で建てられるのです。そのような話をもとに何人かが来てくださって、みなさん『シェリー・メイゾン』で通常の一戸建てを、自分の家として建てています。

  「賃貸よりも持ち家」という層にアプローチ

ーー今後の事業展開は?

佐々木 川之江は昔から転勤族が多く、転勤していった後の戸建てを借家で出すと、20倍ぐらいの倍率になることもあります。戸建てのニーズは高いと考えています。しかし、戸建賃貸を提案しても反応はまだいまひとつです。
 川之江を含む四国中央市は山からすぐに海で、平らな土地が少ない地域。そのため土地の値段が非常に高いのです。県都・松山周辺のエリアと、それほど変わらない金額です。土地が少ないので事業物件も集合住宅になりがちです。さらに、通常のアパートやマンションで空家が出てきているので、賃貸経営全般に対する不安もあり、それらが戸建賃貸への関心の低さにつながるのかもしれません。
 土地が高い分、建物をなるべくローコストで、というところでは、洋館家商品の価値は伝えやすい。費用が出せる人は注文住宅に流れますから、それ以外で「賃貸よりも持ち家」という層にアプローチします。
 四国中央市の人口は、現在9万人ちょっと。当社はここで頑張っていますが、それだけではシェアをとってしまったらおしまいなので、松山への進出も始めました。松山市は人口約52万人、その周辺を含めると70万人のマーケットで、愛媛県の人口の半分にあたります。もちろん競争相手も山ほどいますが、いったん認知されたらシェアもとりやすいはずです。それを狙ってテレビCMを流したり、さまざまな取り組みを始めています。それにより知名度を上げ、洋館家のローコスト規格住宅、自由度を求める層への注文住宅、リフォームや相続対策・土地活用と、お客様それぞれにコンサルティング営業を展開していきます。

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 「住まいのコンシェルジュ」として地元に貢献したいtopics

佐々木 私の家は昔からこの川之江で呉服店を営んでいましたが、昭和48年頃から不動産事業も始めていました。昭和50年に興陽商事を設立して不動産事業を本格化させ、昭和52年に呉服業からは完全に撤退しました。私は家業の呉服屋を継ぐべく同志社大学商学部に入りましたが、在学中に実家が不動産業に転身したため、京都で仲間と不動産会社を設立しました。不動産や建築、管理会社の仕事に携わり、グループ会社を任されるまでになりましたが、昭和59年、32歳で地元に戻りました。
 中学から松山の一貫校に通学していましたし、その後京都へ進学したので、地元に友人・知人が少なかった。そこでPTA活動、青年会議所、商工会議所青年部活動、商店街振興組合活動等に積極的に顔を出すようにしました。そこでの活動を通じて、地域の人づくり、まちづくりを学んだわけです。
 川之江のある四国中央市はもちろん、県都・松山市も、京都・大阪、そして東京など都会とは商習慣も人々の気質も大きく違います。また、平均所得も高いとは言えません。こうした中で、より良い住まいづくり、暮らしを提案していくことが私の仕事だと考えています。さまざまな資格をとり、勉強し、情報を集めているのもそのためです。『年収300万円でマイホーム!?―あなたの夢叶えます』という本も、そのような思いから発刊しました。




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年収300万円でマイホーム!?
―あなたの夢叶えます「住まいの駆け込み寺」

佐々木敬史・著  
エル書房
500円+税


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  瀬戸内海側への進出も視野

ーー愛媛県外、近県への進出計画は?

佐々木 隣県の香川県高松市の建売業者が、当社の建てた洋館家商品を見て発注をくれました。これまで3~4棟ほどやったことで、瀬戸内海側を対象にやっていけるという自信もできてきました。特に高松エリアは、土地がたくさん出されるようになって地価が急激に下がっているので、建築業者にとってはちょうどよいタイミングではないかと考えています。また、都市部であれば、小さい土地に小さい建物を建てて、できるだけコストを抑えて住まいづくりをすることが多いので、洋館家のような住宅を理解してくれる方は多いようです。



  差別化する設備機器の提案を

ーー 洋館家に求めることは?

佐々木 ローコストであることが、洋館家に最初に求めたものです。さらに流通などでコストダウンを図っていただきたいと思います。しかし一方で、さまざまな新しい設備や機器を取り入れ、それらをオプションとして選べるようにしてもらえればと思います。あるハウスメーカー系列ではお風呂にマイクロバブルを全室つけた賃貸マンションを建てています。この設備は当社でも扱っていますが、差別化として面白いものです。
 間取りももっと欲しいところです。規格住宅ですから「この中からやってください」と言っても「えっ?これだけで選ばないといけないの?」となってしまいます。できれば何百か、見せる絵だけでも構いません。
 事業として考えると、できるだけ安くして利回りを良くしたいのですが、これがたくさん増えてきた場合に、戸建賃貸の差別化を図らなければいけません。そのために何か違うものを、他社のものにはない魅力的なものがついていることが重要です。戸建賃貸は共益費を払う必要がなく、車も2台は置けるなどのメリットはありますが、それとは別に、住まいとしての機器などにも違うものが必要です。「戸建ての気分」が自分のものとして味わえる設備や機器、そういうものが必要だと思います。

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 本社2階の内部に、2階建て住宅の1階部分を再現したモデルルームを設置。床材などの色や材質を実感できるようにしている。


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