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連載84「買わずに広い家に住む」ニーズが増える

 前回に引き続き『RA投資マニュアル』の内容紹介を少し書きます。

 第3章では「市場は『RA』を望んでいる」として、その根拠を示しています。
 国はこれまで新築優遇策を推進してきました。その結果、居住地が「拡散」し、一方で成人した子供は大都市に「集中」し、年老いた親たちは買い物・医療難民となっています。そして、格差社会の進行の中で、子世代、特に若者は住宅を購入する所得が得られない人が増えています。第3章では、こうした状況を裏付ける統計資料を多数、示しています。

 これまでこのブログでも繰り返し書いてきたように、少子高齢化と人口減少、格差の進行などの社会状況を見ていけば、「ローンを組んで住宅を買う」「狭い賃貸アパートで我慢する」という高度経済成長期の「住宅すごろく」のモデルは、もう過去のものとなりつつあります。時代は「買わずに広い家に住む」が主流になるのです。

 住まいに対するこうしたニーズの変化を、賃貸住宅を経営している層、投資家はより早くつかみ、その対応策を先取りしていかなければなりません。先般ビジネス誌『月刊BOSS』12月号では、「戸建賃貸がこれからの住宅投資の主流になる」という趣旨の私のコメントが掲載されています。投資家サイドでも戸建賃貸への関心が高まっていますから、私たちが持つ情報への照会(問い合わせや資料請求等)もますます増えてくるでしょう。

 先般、本部は関東のある大地主の方から戸建賃貸住宅の複数棟の建築を受注しました。私がご挨拶に伺うとその方は「貴社が戸建賃貸に着眼したことに感心した。また、商品やビジネスモデルも良く出来ている」と褒めてくださいましたが、こうも付け加えられました。「しかし貴社の成功がもっと大きなものになり、世間の一層の注目を浴びるようになったら、他社もどんどん参入してくるだろう」と。そして「テレビCMなどで知名度がある大手が参入したら大変だよ。その時はどうするかね」と質問されました。

 私はこう答えました。「今は『広くて品質がいい戸建の賃貸住宅』を供給していますが、将来はもっと違う付加価値のある住宅を造ります。そのための研究をしていますので、プランが出来上がったらすぐにお持ちします」と。《もっと違う付加価値》とはどういうものか、まだここでは書きませんが、これまでの住宅の常識とは違う発想から生まれる住宅が、私たちの将来の商品です。それを完成させるためにも、まずは競合が少なく、それほど強くない今、全国の仲間とともに、私たちの戸建賃貸住宅を徹底して販売していきたいと考えています。

*本の内容の無断複製は禁じられています。著作権に配慮し、本からの引用には「資料出所・『RA投資マニュアル』」とご記載ください。

『RA投資マニュアル』
中央経済社 2,600円+税

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