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住宅の「適正価格」を求めて

 すでに何度かお知らせしたように、洋館家グループでは2020年の省エネ基準に対応すると同時に、ZEH仕様が標準化される2030年にも対応する住宅です。この仕様をメーカー各社のご協力もいただきながら同業他社が驚く低価格で実現しました。これは画期的なことであり、業界でも大きな注目を集めています。でも、私たちは今回の新仕様で、さらに別のことも考えています。そのことをお話ししたいと思います。
「日本の住宅は高い」と言われます。イニシャルコストでイギリス、アメリカに次ぎ、世界で3番目に高いと言われています。でも、イギリスの住宅の耐用年数は約77年、アメリカは約55年です。これに対して、日本の住宅の耐用年数は概ね25年から30年です。最初の費用をその資産価値年数で割ると、イギリス、アメリカでも57%くらい。日本は111%。非常に資産の短いものを大きなお金をかけて作っているという制度と仕組みです。
 これはいかがなものかと思いますが、かといって生産者側が儲けているかと言うと、決してそうではありません。高い物を売っているわりに儲かっていない。事業の体をなしていない。まずイニシャルコストと資産価値の長さというものをしっかり出していかなければ、お客様はもちろん、われわれ住宅産業、建築業界も疲弊するばかりです。この問題の解決をしていかねばならないと、私はかねがね思っていました。
 そこで私たちは「高品質」で「低価格」の住まいづくりを提唱し、そのための商品と販売・施工の仕組みづくりを行ってきました。住宅の「適正価格」というのはどう判断をすればいいのか、それを追求する取り組みでもありました。
しかしながら、今なお、お客様の側に「低価格=低品質」という考えが根強くあるのは確かです。それを払拭するのが、2020年からの住宅の省エネ基準義務化です。
 当社に限らず地場の施工店さんなど大手ハウスメーカーに比べてブランド力が低価格商品を提示すると、建物品質も安っぽいのではないかと思われてしまうことがよくあります。それが今回、省エネの基準を国が定めました。価格が安くても、それをしっかりクリアしているのですから、これ以上の品質保証はありません。
 2020年の省エネ義務化への対応により、洋館家の商品は「比較されても負けない」ことが、客観的に明らかになったのです。