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常識にとらわれない大胆な発想も必要

【連載59】常識にとらわれない大胆な発想も必要

 時代の変化を読み取り、ニーズをつかみ、しかも売り手と買い手の共存利益を求めるところに、ビジネスの成功があります。当社が進める戸建賃貸住宅においては、当社が売り手で、資産活用や土地活用を考えるお客様が買い手です。そして、そのお客様は、賃貸住宅の貸し手であり、入居者は借り手です。賃貸住宅経営の成功は、貸し手と借り手の共存利益の追求です。ここでは、借り手の視点・利益を踏まえた、貸し手の利益追求が当社の役割となるでしょう。
 より高品質の住宅を、なるべくリーズナブルな賃料で借り手に提供する。しかも、貸し手の資産運用を成功させるということを大前提とすれば、高品質低価格の規格住宅を、戸建賃貸住宅として提供するしかないのです。
 もちろん、安い賃料を実現することだけが貸し手と借り手の満足を実現することになるわけではありません。貸し手に高収益を約束する高い賃料であっても、貸し手が喜んで住んでくれる賃貸住宅を供給することも大切です。むしろ、戸建賃貸住宅のビジネスは、こちらをめざすべきでしょう。
 また、高い家賃がとれる賃貸住宅とは、単に建物や設備が良い、交通の便が良いということだけではありません。建物や設備が良ければ当然、コストが高くなりますし、交通の便の良いところの地価は高い。むしろそれ以外の付加価値が、物件の競争力を高めます。
 戸建賃貸住宅は、音の問題などで気兼ねなく暮らしたいという子育て世代のニーズに応えた賃貸住宅ですが、その他にも子育て世代のニーズはないだろうか。そう考えると、いくつかのアイデアが浮かびます。例えば、近年の大きな社会問題としては保育園の不足が挙げられます。子育て世代は保育園を求めています。賃貸住宅の近くに保育園があるといっても、そこに入れるとは限らない。だとすれば、賃貸住宅を提供する我々が、賃貸住宅と一緒に保育園を作ることはできないか。現在は、企業保育園という制度がありますから、決して困難なことではありません。
 このように、共存利益を追求するためには、これまでの常識にとらわれない、大胆な発想も必要なのです。そして、大胆な発想やその取り組みは、当社1社だけではなし得ません。全国の販売店、施工店といった仲間、そして異業種を含めたネットワーク、ときには行政をも巻き込んだ大きな輪を作ることによって実現するのだと思います。