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日本の住宅の7戸に1戸が空き家

【連載53】日本の住宅の7戸に1戸が空き家

 暑中お見舞い申し上げます。暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
 今年も私は、全国各地で戸建賃貸住宅の将来性についてお話しするセミナー・講演の機会をいただいています。4月には「貸家経営塾」を主宰する黒木貞彦先生と、広島エリアで賃貸住宅経営を行ったり検討されている方々を対象としたセミナーを行いました。また、5月にはJA長野の「貸家部会」つまり、アパート・マンションのオーナーさんの組織のセミナーに講師として招かれました。いずれの会場も、皆さん熱心に聴講されていました。戸建賃貸住宅の必要性、その経営の将来性について、徐々にではありますが全国に浸透しつつあると感じています。
 これらのセミナーでお話ししていることのごく一部を、洋館家グループの施工店様・販売店様向けの情報誌『YCY News』の最新号で「賃貸住宅の需給ギャップ~空家は増えているが戸建は不足している」としてお知らせました。これについて、もう少し詳しくこのブログで説明します。
 総務省の「住宅・土地統計調査」(2013年)によれば、国内の総住宅数約6,063万戸で、そのうち空き家は820万戸となっています。空き家率は13.5%です。
この調査は5年に一度ですから、現状は、総住宅数約6,300万戸で約880千戸の空き家、空き家率14%程度と予測されています。これは日本の住宅の7戸に1戸が空き家ということになります。
 この統計でいう「住宅」とは、「一戸建の住宅やアパートのように完全に区画された建物の一部で、一つの世帯が独立して家庭生活を営むことができるように建築又は改造されたものをいう」とされています。さらに「ここで、『完全に区画された』とは、コンクリート壁や板壁などの固定的な仕切りで、同じ建物の他の部分と完全に遮断されている状態をいう」とあります。つまり、アパート・マンションの1室も「1住宅」ということがわかります。
 こうした住宅の「7戸に1戸が空き家」ということですが、上記の条件を満たしていれば、もともと人が住んでいなくても住宅とみなせますので、実際の「空き家」の数とは異なってくるかもしれません。
 統計数字というのはそういうものですので、実態、実際はどうなのかということをしっかり確認する必要があります。確かに空き家や空室は増えていると実感しています。では、その中身はどのようになっているのか、私たちのビジネスを考える上で必要なデータは何かをしっかりとつかむ必要があります。