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ただ家を売るのではなく価値を提供する

【連載49】ただ家を売るのではなく価値を提供する

 先日、私たち洋館家の施工店・販売店グループに名を連ねている茨城県鹿嶋市の大和ハウジング・飯島稔社長がテレビの取材を受けていました。飯島社長は住宅販売の付加価値を追求した結果、これからの日本に求められる高齢者の安心安全と社会参加をサポートする素晴らしい取り組みを作り上げました。その内容は、先月お届けした『YCY News』に掲載していますので、会員の皆さんはすでにご覧になったと思います。
 記事にも書きましたが、会の超高齢化が加速する中で、「高齢者が移住先で社会参加しながら安心安全に暮らせる、ケア付きコミュニティー(Continuing Care Retirement Community=CCRC)」が注目されています。茨城県鹿嶋市を中心に住宅の建築と販売を行う大和ハウジングは、自社の住宅販売の付加価値サービスを発展させ、民間事業者としてのCCRC活動を全国に先駆けて展開。地域の社会貢献を行うとともに、他社にない住宅の付加価値販売の手法として大いに注目を集めています。
 私が会員の皆さんに知っていただきたいのは、全国にはこのように、共存利益を実現する付加価値創出に知恵を絞っている方がたくさんいるということです。もちろん、会員のすべてが飯島社長と同じことをすれば成功するというわけではありません。先行者には多くのご苦労があり、またノウハウがありますが、ただ真似をすればすぐに結果が出るわけではありません。
 会員の皆さんに見習って欲しいのは、飯島社長がただ家を売るのではなく、「価値」を提供することで、同業他社との違いを作っている点です。ただ家を売るだけであれば価格の競争です。しかし価値の競争であれば、価格の優先順位は下がります。
 私たちは高品質の住宅を低価格で販売することを追求していますが、ただ安ければいいという考えではありません。安さだけの競争では競合はいくらでも出てきますし、消耗戦が続くだけです。住宅購入者や賃貸物件の施主様らが、価格よりもその価値を認めて、「ぜひ買いたい(建てたい)」と言わせる住宅販売、賃貸入居者に「ぜひ借りたい」と言わせる住宅販売のしくみづくりをしていくことが大切です。付加価値により、住宅購入者と事業者の共存利益を実現することこそが、私たちの目標とするところなのです。