記事一覧

賃貸住宅は余っているが不足している

【連載45】賃貸住宅は余っているが不足している

 全国の施工店さん、販売店さんがビジネスを成功させていくために、さまざまな情報を提供する……それが洋館家グループの本部の仕事です。「情報」とは、「マーケットはどうなっているか」を知らせること、と言い換えられます。「さぁみんなで魚釣りに行こう」と誘っても、その池が濁っていて、魚がいるかどうかわからない状態では、みな躊躇します。「ここには必ず魚がいる」ということを正しいデータに基づいて教えてあげなければ、誰も釣りに来ません。
 さらに、せっかく釣りをするならたくさん釣りたいと思うのがふつうです。そして、そこに行けば必ず釣れるということがわかれば、その場所は独占したいと思うのが人情です。「しっかり釣るからその場所を独占させてくれ」と会員に言わせること、それも本部の役割でしょう。もちろん「しっかり釣る」というのは具体的にどういうことなのか、その取り決めも必要になります。餌をつけない、釣り糸を下げない、そんな人が場所を取るのは迷惑です。実は、施工店、販売店の登録をして、そのエリアで「洋館家」を名乗ってビジネスをするという契約を交わしても、その後は何もしていないという会員も存在します。会員が増え、全国からお客様の問い合わせも増え、さらに入会希望者が増えている現在、こうした「幽霊会員」の整理も、課題になってきているのも、こうした理由からです。
 さて、では私たちが釣りに行こうとしている市場には魚はいるのか。マーケットはどうなっているのかということです。これについて私は、自信を持って言います。戸建賃貸のマーケットは豊かです。
 賃貸住宅市場は厳しいとよく言われます。経験豊かな大家さんであればあるほど、賃貸は余っているし、これからもどんどん余ると言います。けれども、それは古い集合住宅のことを指しているのだということです。
 集合の賃貸住宅は確かに供給過剰です。現状では全国で720万戸余っていると言われています。満室になるのは新築物件だけという地域が大半です。建物は必ず古くなりますから、これからも古い賃貸住宅=空室は増え続けることになります。
 しかし、私たちが進めようとしている戸建賃貸住宅は、高い需要があるにもかかわらず供給が圧倒的に足りません。私たちの試算では、現状で200万戸不足している。つまり、200万戸までは造れば入居者が入るのです。
 この事実をデータとともに会員にお知らせし、さらにこれからも社会に役立つ住宅建築ビジネスを進めようという人に伝えて新しい仲間を増やしていくこと、それが本部の仕事であり、私自身がやらなければならないことなのだと考えています。