記事一覧

利益は知恵から生み出される

【連載40】利益は知恵から生み出される

 昨年10月から私はこのブログで、サービス業や企業経営のあり方について自分なりの考えを綴ってきました。きっかけは、ある老舗企業の事業再生策について意見を求められたことでしたが、業種に関わりなく今の日本の企業が置かれてる現状、消費者の購買行動などから、これからの事業はどうあるべきかを考えてきたわけです。この考察は、しばらく続けてみたいと思います。
 これまでも何度も書いてきたように、現在はあらゆる商品が供給過多の状態です。いくら売り上げを伸ばそうとしても需要がついてこないという企業が大半です。したがって利益も出なくなります。供給過多の時代は「価格競争、量の調整、統廃合」の負のスパイラルがはたらき、とても利益が出る環境とならないのです。
 そこで、価格競争ではなく付加価値の提供により、自社の商品について需要過多の状態を創出する必要性をこれまで述べてきました。そして、その価値の競争とは、競争相手を同業他社とするのではなく「自己との競争」とすべきだと私は思います。価格競争とは異なり、「市場との共存」をめざし、質の高い商品の提供をめざすことが大切なのです。
 ではその考えで商品の生産・供給を行い、利益を出していくにはどうすればよいのか。それは「知恵」であると私は思います。
 知恵と知識は違います。競争社会において、知識は自分を守る防護として必要です。しかし、基本的な知識は必要ですが、これまでも何度か述べてきた、これからの企業に必要な「共存と関係性」を発展させるために大切なものは「知恵」です。「社会に貢献するための『知恵』」こそが必要不可欠なのです。
 現在、法人の7割以上が赤字決算です。現在の企業の多くは、たとえ売り上げが伸びても利益が出せないでいます。しかし、「知恵が莫大な利益を生み出す」ことを知り、そこに注力することがこれからの企業にとって最重要であると私は考えます。
 今年も皆さんとともに、知恵を出していきたいと思います。