【連載27】地震大国・日本の住宅で耐震性への関心は一層高まる
熊本地震では多くの住宅が倒壊しました。また、倒壊の危険があると認定された建物も1万件を超えるとみられています。今回の地震の特徴は、大きな余震の後にさらに大きな本震が来たことと、その後も繰り返し何度も揺れが発生していることです。このことが建物のダメージを大きくしています。
建築関係の者であればだれでも知っている新耐震基準は、1981年に導入されました。この基準では、震度5強の地震ではほとんど損傷せず、震度6強から7に達する地震では損傷しても倒壊や崩壊はしないというものです。1995年の阪神淡路大震災でも、2011年の東日本大震災でも、新基準導入以降の建物の被害は、それ以前のものに比べてずいぶん少なかったと報告されています。ところが今回は、新基準の建物でも被害が出ているようです。
耐震基準を満たしても損傷や倒壊がなぜ生じるのかについては、今後の調査の結果を待たねばなりませんが、耐震だけでなく免震や制震など被害軽減の対策も同時に考慮していく必要があります。
一方で、地震により強い家を作ろうとすればコストがかかります。高品質な住宅を低コストで供給しようとするとき、この耐震を含めた住宅の品質をどのように確保し、さらに高めていくかが大きな問題となります。
今回の熊本地震では、熊本市内で15棟の洋館家戸建住宅を建設している施工店・熊本建設さんの物件をはじめ、全ての物件で特段の問題が生じていないことを確認しました。現地の皆さんは大きな地震と繰り返される余震の中で、その後も不自由な生活が続いていますが、当社の建物が施主様や入居者様にご不便やご迷惑をかけなかったことに関してだけは、一安心しているところです。
耐震性を高めようとすればコストが上がり、販売価格を抑えれば利益が減ります。それでも経営を成り立たせるためには、数を売らねばなりません。グループの販売力を強化し、1棟でも多く建築・販売していくことは、より良い商品をより安く提供し続けるために不可欠なことだということを改めて申し上げたいと思います。
また、地震大国・日本では、耐震性は住まいづくりにおいて最も大切なことであり、洋館家商品は耐震の「性能評価」を取得していることを、販売活動では常にお客様にお伝えいただくよう施工店の皆様にお願いします。