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耐震・温熱・劣化・維持管理等での性能評価の活用を

【連載26】耐震・温熱・劣化・維持管理等での性能評価の活用を

 全国セミナーでは「今年度の具体的な取り組み」をいくつか掲げましたが、その中の1項目が「耐震・温熱・劣化・維持管理等での性能評価の活用」です。これを発表した後に、熊本地震が発生しました。被災地では1か月以上経過しても余震が発生し、不自由な暮らしをされている方がたくさんいます。改めて被災した皆様にお見舞いと、1日も早い復興をお祈りいたします。

 マスコミで連日報じられていますが、今回の地震は、4月14日夜と4月16日未明に発生した最大震度7の地震と、14日以降、震度1から6強まで連続して発生しています。

 日本国内の震度7の観測事例としては、阪神淡路大震災(1995年)、新潟中越地震(2004年)、そして東日本大震災(2011年)例だけです。これだけ大きな揺れが短い期間に連続して発生したわけですから、住宅に与えた影響は深刻でした。5月6日の朝の時点で、住宅の全壊が2,487棟、半壊が3,483棟、一部破損が22,855棟、被害分類が未確定の住宅被害が31,275棟と消防庁は発表しましたが、被害報告はその後も増えています。

 地震大国である日本では、住宅の耐震対策は必須と言えます。建築基準法に基づく現行の耐震基準は、1981年(昭和56年)に導入されました。今回の地について耐震基準をクリアしたものにしようとしていますが、100%達成はなかなか難しい状況です。

 今回の地震で住宅の耐震性についての関心は再び大きく高まりました。人はとかく忘れっぽく、「のど元過ぎれば」の感もあって、耐震の必要性を感じていても、それにコストかかるとなると消極的になるといったこともみられます。良い住宅を提供したいという我々が、施主との間で苦労するのもこのあたりにあります。

 また、耐震性は実際に大地震が起きなければ証明できないという問題もあります。耐震偽装などが発覚するのは、稀なことです。自社の住宅商品が耐震性に優れていることを、何をもって証明するかは悩ましい問題でした。

 良質な住宅を可能な限り低価格で供給したいと考えている洋館家グループでは、自社の商品が「耐震性に優れている」ことを証明し、だからこそ「(価値に対して)安い」ということをお客様にご理解いただくために、耐震・温熱・劣化・維持管理等での性能評価を取得したわけです。