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当社はなぜ戸建賃貸に取り組んだか(2)

【連載02】アパートの1階2階トラブル完全解決は戸建

 木造アパートでの子育てファミリーと奥さんが手術したばかりの新婚家庭トラブルは、部屋を換えることで解決しました。
 この件を解決した当社の担当者は独身の女性でした。彼女は結婚した今も働いてくれていますが、仕事に情熱を持っている女性で、その頃は「社長、辞めます!」と4回も辞表を出してきました。辞表を書いてくる理由は、こうしたトラブル処理が毎回のように彼女に持ち込まれるからでした。「なんで私は来る日も来る日も入居者の苦情を聞いて、お給料じゃないですよ、私はこのために、こういう仕事をしたくて会社にいるのではない」と。音の問題などアパートの1階2階トラブルは「その都度テクニックでは駄目、抑えることはできない」とも彼女は言いました。
 彼女の言うことはもっともです。この社員を辞めさせたくないと思いました。やる気があって入社してきた未来ある社員をなんとかしたい、と。
 そして考えました。賃貸の1階2階のトラブルをなくす方法は、戸建にすることだ、と。「一軒家なら2階がどんなにゴタゴタしても、自分の子だったら警察は来ない」、我ながら名案だと思いました。
 そして、それを実現する為に13棟の戸建賃貸の建設を決め、メーカーさんを呼び、職人さんに声をかけ、この熱い想いを話しました。でも、熱くなっていたのは私だけだったことが後でわかりました。
 しかし、考えは間違っていませんでした。その証拠に、近所のアパートの入居者からも予約が入り、建築中に入居者すべて決まりました。満室です。最初、半信半疑で土地を提供してくれた地主さんも、満室になった事を喜んでくれました。
 でも、当社は大赤字でした。建築費がかかり過ぎ、当社が被らざるを得なかったのです。