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低価格と高品質の両立をめざす③

【連載15】性能評価を取得し、品質の良さをアピール

あけましておめでとうございます。
本年が皆様にとってより良い年であることを祈念いたします。

 さて、昨年2015年は、マンションの杭打ちデータの流用事件が大きく報じられました。データの偽装がそのまま建築の欠陥になるわけではありませんが、手抜きであることは確かです。下請け、孫受けの構造、過度なコストダウンの要求がこのようなことを招いたのだと思います。
 今回の事件では、問題となった下請け企業が、有名企業の子会社だったこともあり大きく報道されました。しかし、現場では多くの無名・零細の下請けや孫受けが存在することが、世間に改めて広まりました。建築業者に対する世間の目は、当分は厳しい物になるでしょう。
 業界の中にいれば「大手や有名企業なら安心で、中小零細は心配」とは必ずしも考えませんが、世間の人はなかなかそうではありません。当社が広報広告を積極的に行うのも、ブランド力をつけていきたいからです。住宅産業では「知っている会社」であることがお客様にとってとても大切だということは、真理の一つですから。
 しかし宣伝広告だけで実態が伴っていないのも困ります。また、そういう会社が多いことも、世間は知っています。ですから、宣伝広告では、実態もしっかりしているということを裏付ける「何か」も合わせて伝えていかなければなりません。
 当社の戸建賃貸住宅商品が、住宅性能表示10項目のうち「構造の安定」「劣化の軽減」「維持管理」「温熱環境」の4項目について、性能評価を取得することにしたのも、「内容(品質)が良い」ことを知ってもらうことが目的です。もっとはっきり言えば「安いけれどちゃんとしている」ことを、国のお墨付きで説明するためです。住宅の「性能」が公的機関により数値で示されますので、他社との比較が容易となり、高性能住宅の差別化につながるわけです。
 低価格と高品質の両立をめざすということは容易ではありません。また、仮にそれを実現したとしても、一般消費者には「安かろう、悪かろう」の疑いがあります。その疑念を払拭することも大切です。
 世間の建築業者に対する目が厳しいからこそ、こうした取り組みは評価を得ます。これからも、「低価格と高品質の両立」は可能であることを、一つ一つの取り組みで明らかにしていきたいと考えています。