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“建築通販”の完成をめざす②

 【連載12】価格が明確で安い…を住宅でも実現する

 私たちのシステムでは、税別778万円「ユニット・ワン」で30%の粗利をだします。業界の人間であれば、概ねどのくらいの原価で造るのかはおわかりになると思います。この粗利30%というのは、市場で競争できる価格設定ということです。
 建物の「原価」の半分は資材が占めます。この部分を大量発注によりコストを下げ、全国一律で供給しています。会員さんは現地調達の基礎屋さん、大工さん、設備屋さん、電気屋さんたちにどういうコストでどう発注するか、そこで利益確保が決まってきます。もちろん、地域によって、会社によって、職人さんの手間賃は異なり、当社が想定するコストを超えてしまうこともあるかもしれません。この点については、将来的には全国規模で職人さんの融通も行えるようになれば、作業が標準化しコストも下がるだろうと私は考えています。
 資材のコストを下げるには大量発注と同時に、即日現金払いを徹底しています。そうやって叩きだした価格ですから、販売時には1円もまけない。「ユニット・ワン」をはじめ、当社の商品にはすべて定価がつけてあります。値段が明確で安い。駆け引きもないから営業もスムーズで、お客様も即決してくれる。それは営業コストも安くなっていると、ということです。
 このように、どうすればコストが下がるか、徹底して追求することが大事だと私は考えています。とことん考えて「改革」していくことが大切です。いままでの延長の「改善」じゃだめなのです。
 いま、さまざまなものがテレビショッピングやインターネットなどの通信販売で売られています。通販はまさに、値段が明確でしかも安く提供されているということ。売る側は広告宣伝以外の販売コストは極力かけず、さらに大量販売ができることから仕入れをどんどん安くすることができる。通販市場は消費者の支持を受け拡大してきました。ジャパネットたかたさんが家電を通販で売るなら、私は住宅を通販で売ろうと考えました。 
 当社では、2年ほど前に全国24局ネットで半年間テレビCMを流しました。問い合わせが約1,000件で、実際に建築につながるお客様からの問い合わせが全国各地から約500件。これをすべて、全国にいる私たちの会員さんにご紹介をしてきました。
 価格が明確で安くて、全国どこからでも発注できる……それが住宅でも可能となる、住宅通販の完成形をつくることが、当社の目標の一つです。