【連載09】建築屋さんが家賃を決める!?
社会や経済の変化により従来型の「持家至上主義」は変わると述べてきましたが、「賃貸住宅」も同等に、市場変化に伴って変えなければなりません。
例えば家賃の設定を考えてみましょう。
アパート、マンションの家賃は誰が決めるのか! 大家さんなのか、不動産業者なのか、あるいは大家さんに融資をする銀行なのか…。違います。「家賃を決めているのは建築業者」なのです。
例えば「あの土地に賃貸マンションを建てたい」と大家さんが知り合いの不動産業者に相談した時に、家賃はどれくらいにすればいいのか?…それは建築業者から見積りを取ってみないと分かりません。建築費が決まり、借り入れを銀行に申し込み、返済に合わせて「家賃設定」するのです。だからまずは建築業者から見積りを取ります。
ほとんどの大家さんは鉄筋がキロいくらか、サッシが1セットいくらするのか分かりません…。不動産業者や銀行も同じです。従って、どういうふうに適正価格を見出すかというと、相見積を取ることになるのです。
例えば、A社は1億1千万、B社は1億、C社は9,000万……、大体の大家さんは見積りの安い業者を選びたいと思いますが、「どうもC社は評判が良くない、万一工事中に倒産などしたら取り返しがつかない」と、価格の安さと信頼、信用を基に決めていきますので、仮にB社の1億円で決まると、それが家賃を決める基になるのです。つまり、「建築業者が家賃を決めていた」ということになるのです。
それでは建築業者がどうやって建築費を決めているのか…それを説明したいと思います。驚く事実が明らかになっていきます。(続く)