2016年 戸建賃貸ビジネスは
  大きく羽ばたく

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福田氏
洋館家グループ代表 福田 功

 新しい年も明けて早1か月が経とうとしています。皆さんはどのような年をお迎えになられ、どのような年にしていこうとお考えでしょうか。洋館家グループでは、今年2016年は、戸建賃貸ビジネスがさらに大きく羽ばたく年と考えています。


ブログ福田が施工店の皆様をはじめとした関係の方々にお伝えしたいことをブログで発信しています。

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  住宅品質に対する厳しい目に答える

 昨年の住宅建築業界の話題といえば、マンションの杭打ちデータの流用事件があります。データの偽装がそのまま建築の欠陥になるわけではありませんが、下請け、孫受けの構造、過度なコストダウンの要求がこのような手抜き工事を招いたのだと言うこともできるでしょう。
 今回の事件では、問題となった下請け企業が、有名企業の子会社だったこともあり大きく報道されました。「有名企業でも安心できない」ということが世間に広まりました。私たち業界の中にいる者は、「大手や有名企業なら安心」とか「中小零細は心配」とは必ずしも考えませんが、世間の人はなかなかそうではありません。当社が広報広告を積極的に行うのも、ブランド力をつけていきたいからです。住宅産業では「知っている会社」であることがお客様にとってとても大切だということは、真理の一つなのです。

 また、当社では低価格と高品質の両立をめざしていますが、まだまだ住宅については一般には「安かろう、悪かろう」のイメージがついて回ります。今回の事件により世間の住宅業界に対する目は厳しくなりますから、「品質は間違いない」ということをお客様に理解していただくための取り組みが一層重要になります。
 当社の戸建賃貸住宅商品は昨年、住宅性能表示10項目のうち「構造の安定」「劣化の軽減」「維持管理」「温熱環境」の4項目について性能評価を取得しました。「安いけれどちゃんとしている」ことを、国のお墨付きで説明するためのものです。

  「低価格と高品質の両立」の達成をめざす

 当社が目標として掲げる「低価格と高品質の両立」を推進し、かつ世間一般の理解を得ていくためには、現場の地道な努力はもちろんですが、前述の住宅性能表示など公的基準や制度の活用、広報宣伝や高品質部材の供給など、総合的に行っていかなければなりません。そのためにも、グループの総合力の結集が不可欠です。
 洋館家の商品は原則として全国同一のものを提供しています。住宅のコストを下げるためには、徹底した規格化と大量発注が不可欠です。地域によってばらばらな建物を、現場ごとに違う材料で建てていたのでは、いつまでたっても住宅建築のコストは下がりません。
 しかし一方で、建てる地域の気候風土や暮らし方の習慣に配慮しなければ、住宅の快適性はなかなか実現できません。また、建築に関わる工賃も、地域の需要と供給や物価と経済状況により差が生じます。規格化を進めながら地域性をどこまで取り入れられるか、それが私たちに課せられた永遠の課題であります。
 現段階で私はこう考えています。「低価格と高品質の両立」を推進するために、まず本部は、市場が要求する新商品の開発、販売活動の後方支援、工法における基本技術の標準化の3点をシステム化して、全国の施工店に提供していきます。その上で、全国の施工店の皆さんは地域性を踏まえたカスタマイズに取り組んでいただく。そしてその情報を本部に集約し、それを規格化、標準化する方途を徹底的に研究します。現在、北海道の施工店さんが寒冷地仕様の取り組みを行っていますが、そこでの取り組みを東北や北陸などの豪雪地帯でも使えるノウハウとしていきたいと考えています。気候への対応だけでなく、全国各地の住まいづくりの情報共有も、本部の商品開発に生かせるはずです。
 部材ついては、メーカー様のご協力により多くの製品が好条件で入手できるようになっています。現在、洋館家の住宅商品は2,000棟を超えましたが、これがさらに増えていけば、メーカー様の期待に添うことができ、条件もさらに良くなります。
 また職人さんの工賃についても、需要と供給で工賃が決まる部分があるなら、グループのネットワークで全国で仕事を融通しあえる体制を作り上げていきたいと構想しています。
 大切なことは、地域ごとや自社ごとの事情で「できない」と諦めるのではなく、「低価格と高品質の両立」の達成のためにやれることは何でもやっていくということです。

  他社製品との違いを作り上げる

 業界には「低価格で高品質」を標榜する企業が当社以外にも複数存在します。そして過去にもフランチャイズなどで多数存在し、そして消えていきました。
 消えていったのはなぜか。「低価格と高品質の両立」しない品質のものだったか、施工する業者側に過度な負担を強いるものだったからだと考えられます。とくに住宅関連のフランチャイズなどでは、本部だけが儲かるしくみだったり、住宅を供給することではなく加盟料等で儲けるビジネスだったりすることがあります。こういう商売が長続きしないのは当然です。
 では、洋館家の商品はどう違うのか。そう問われたとき、すぐに答えられる内容を私たちは確立していかなければなりません。前述したように、住宅性能表示など品質面では自信を持っています。価格の低廉化と透明化も進めています。しかしそれは、他社においても行っていますし、一般のお客様からは形としてすぐに比較しにくいものかもしれません。
 他社の商品とは圧倒的に違う点をどう作っていくか、それが課題です。そして、その答えの一つが、今春にも発表できるよう準備中です。それは「洋館家の戸建賃貸住宅はビジネスサポートが違う」ということを具体的に伝えられるようになるということです。
 戸建賃貸住宅経営のビジネスサポートは、賃貸ビジネスを成功させるために投資回収しやすい住宅商品を提供するだけでなく、オーナーの資金手当てから広告・仲介、家賃保証、入居後の管理業務等々があります。さらにここに投資家を呼び込むしくみを合わせれば、賃貸経営だけでなく不動産売買のサポートも可能です。これを全国の施工店がお客様に提案できる体制の構築を、今年からはじめていきます。今年2016年が「戸建賃貸ビジネスがさらに大きく羽ばたく年」だと私が周囲に伝えているのは、この計画があるからです。
 資金手当てや家賃保証、全国的な仲介や管理業務などは、もちろん当社1社ではできません。また、個々の施工店や協力店と地域で競合したのでは、当社グループの理念に反します。今回の構想では、こうした問題をクリアし、真に施工店・協力店の力となる提携先を選択し、皆さんにご案内する予定です。

  実績とノウハウを活かして主役になる

 ところで、昨年来、相続税をはじめさまざまな税制変更が行われています。これらは全体としては大きな増税となっていることは確かで、またこのことにより日本における「格差社会」はますます広がると懸念されています。人口減少と格差により、「家を建て、一生懸命働いてローンで払う」というこれまでのモデルは多数派ではなくなる時代がやってこようとしているわけです。
 住宅業界や不動産業界では戸建賃貸への関心が大きくなっています。当社にもさまざまな企業グループからアプローチがあり、さまざまな情報が集まります。驚くような大企業がこの分野への参入を検討しているのです。
 こうした中で、私が施工店・協力店の皆さんに申し上げたいのは、いま大きなチャンスが到来しているということです。私たちのビジネスモデルは、正直、まだ完成形には至っていません。そのような中で大資本が参入することは脅威です。しかし私たちには地道に築きあげてきた実績があり、獲得してきたノウハウがあります。大資本と競争し、あるいは手を組むに十分な力を私たちは持っていると自負しています。世の中全体の戸建賃貸住宅への関心の高まりは大きな追い風になります。戸建賃貸住宅ビジネスの主役となるべく、ともに手を携えてまいりましょう。

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