世界のスープを作ってみよう その11
春菊とひき肉のスープ
(ベトナム)
美味しくて健康に良い世界のスープとその国のちょっとした住宅事情をご紹介する「YCY 食と健康のコラム」。今回取り上げるのはベトナムです。
香り高い春菊をたっぷり使ったスープはベトナムではポピュラーな料理です。春菊にはほうれん草や小松菜と同程度のβカロテンが含まれます。また、呼吸器系や胃腸を整える成分があります。
炒め物やつけダレにぴったりのニョクマム
ベトナム料理に欠かせない調味料のニョクマム(ヌックマム)。塩味や旨味、コクを加える魚醤で、カタクチイワシなどの小魚を塩で漬け込み、発酵させたものです。タイの魚醤ナンプラーも原料は同じ。塩分濃度や熟成期間などの違いがありますが、代用することができます。スープ以外でも、チャーハンの隠し味にしたり、アンチョビ代わりにパスタに加えたりするのもおすすめです。独特の香りですが、慣れるとクセになる味わいです。
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材料(4人分)
- 干しエビ ……大さじ1
- 春菊 ……1束
- 豚ひき肉 ……150g
- にんにく ……1片
- ニョクマム ……小さじ1
- サラダ油 ……少々
- 水 ……800cc
- 塩・こしょう……適宜
作り方
- 干しエビは細かく切り、ひたひたの水に浸けておく(戻し水は取っておく)。春菊は葉と茎を分けてざく切りにする。
- 豚ひき肉にすりおろしたにんにくとニョクマムを加えて混ぜ、下味をつける。
- 鍋にサラダ油を熱し、1の干しエビと2を炒める。
- 豚肉の色が変わったら、水と1の戻し水を入れる。
- 春菊の茎を入れ、柔らかくなったら葉を入れてさっと煮る。塩・こしょうで味を調える。
スープのついでに……
column スープのついでに…ベトナムの住宅事情
ベトナムの特徴的な家というと、市街地にあって間口が狭く奥行きの深い、3~4階建てのちょっと古びた家。いわゆるウナギの寝床です。
3~4階建てなのは、祖父母から孫たちまでがいっしょに暮らすのが主流だからです。例えば1階は家族で経営するお店、2階は祖父母の部屋、3階が父母の部屋。なぜそんな間取りなのかというと、かつてベトナムでは住宅にかかる税金はその家の間口の広さに比例していたからなのです。税金はなるべく払いたくない、ということでしょうか。
もう一つの特徴は、購入方法。なんとキャッシュで一括払い! 住宅ローンが普及していないので、一括払いせざるを得ないのです。ようやく最近になって住宅ローン制度が整いつつあるようです。