街と建物

 賃貸物件の現況〈金沢市〉

世界に向けた観光都市

 金沢市は本州の、また、石川県のほぼ中央に位置する街。漆塗りや金箔製造、加賀友禅、九谷焼などの伝統工芸が受け継がれています。戦災や大きな災害を免れ、藩政時代の美しい街並みが市内各所に残ることから観光都市として新たな脚光を浴びています。

 2015年の北陸新幹線開通で、来訪者はそれ以前の3倍の900万人超に増えました。

 人口46.3万人、20.7万世帯の都市ですが(2020年推計)、市の人口は2005年から微減しています。国立社会保障・人口問題研究所の推計では2060年には34.7万人まで減少するとされており、市ではいま「人口ビジョン(改訂版)」と「第2次総合戦略」をつくり、減少の抑制に動いています。

住宅状況

 「住宅・土地統計調査」(2018年、総務省)によると、金沢市の住宅総数は237,170戸。居住無しの賃貸住宅は21,300戸で、空室率は21.2%と、全国平均(18.5%)をかなり上回っています。

価格相場

 LIFULL HOME’Sによれば、ワンルーム・1K・1DKのマンション・アパート・戸建全体の平均家賃は4.55万円です。2LDKは6.59万円、3LDK10.8万円となっています(2021年4月上旬現在)。

金沢市の住宅状況(下段は石川県全体)     単位:戸

住宅総数
237,170 居住有 居住無
持ち家 借家 (公営) (民営) (給与)
202,190 315,500 79,280 4,670 69,290 5,320 34,980
535,800 455,000 118,010 129,900 10,100 110,200 9,700 80,800

金沢市の居住無住宅の概要(下段は石川県全体)

居住無
34,980 一時 空き家 (賃貸用) (別荘等) (ほか) (建築中)
1,000 33,750 21,300 810 11,640 230
80,800 2,100 77,800 36,300 2,700 38,700 800
*2018 年「住宅・土地統計調査」による。誤差は四捨五入による。
*賃貸空き家率
→金沢市 居住有79,280 居住無21,300 合計100,580 空家率21.2%
→石川県 居住有129,900 居住無36,300 合計166,200 空家率21.8%

 金沢市グルメ

金箔スイーツ

金箔スイーツ  

 冬の寒さが厳しく、雨が多いのがこの地域の気候の特徴。年間湿度が70%を下回ることが少ないので、静電気が起きやすく乾燥を嫌う金箔の製造に最適です。

 金箔を活用したさまざまな商品がありますが、いま人気なのは何と言っても金箔スイーツです。金箔ソフトクリーム、金箔ぜんざい、金箔ブレンドコーヒー、金箔羽二重餅などなど、街の各所で楽しめます。

 今回の表紙

金沢駅兼六園口(かなざわえきけんろくえんぐち)
金沢駅兼六園口(かなざわえきけんろくえんぐち)
金沢市木ノ新保町2丁目

 金沢駅は1898年、官設鉄道北陸線小松駅〜金沢駅間の延伸に伴って開業しました。
 2011年には、アメリカの旅行雑誌で「世界でもっとも美しい駅14駅」のひとつに選ばれたほどの優美さが特徴。もてなしドームと鼓門(つづみもん)が訪れる人を出迎えます。

 もてなしドームは、雨や雪の多い金沢で「駅を降りた人に傘を差しだす、もてなしの心」を表現しています。建材には3019枚のガラスが用いられた明るい玄関口です。

 ドームの地下は広場となっており、大学生や高校生の美術展、黒板アート、盆栽フェア、クラフト展、写真展などさまざまなイベントが開催されています。

 ドームに隣接する鼓門は、金沢の伝統芸能である能楽の加賀宝生で使われる「鼓」がモチーフです。
 柱の高さは13・7メートルあり、迫力満点。日没から深夜12時までは鼓門がライトアップされ、えんじ、藍、草、黄土、古代紫の加賀五彩に彩られます。

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