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施工店・販売店インタビュー

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施工店・販売店それぞれの立場で
賃貸オーナーの最適物件を提案していく

洋館家本店グループの戸建賃貸住宅の建設では、会員である施工店と販売店とがそれぞれの立場で、顧客である賃貸オーナーのメリットの最大化を追求することは言うまでもありません。そしてそのためには入居者満足の実現が重要であることを、オーナーにしっかり理解していただくことも大切です。施工店と販売店とが役割をしっかり果たしつつ、数多くの受注を手掛けるヤマシタ工務店とイキミ不動産の事例をご紹介します。

  • 株式会社イキミ不動産
    賃貸管理事業部
    マネージャー 工藤 将康

  • 株式会社ヤマシタ工務店
    岐阜支店
    建築グループ 勝山 歩



戸建賃貸に
理解あるオーナーの物件

ーー今回竣工した物件の概要から教えてください。

工藤 戸建賃貸3棟を完成させました。施主様からのご要望です。このお客様は賃貸物件を多数経営されている方で、過去に戸建賃貸も建てておられます。当社で物件の管理もさせていただいていますので、土地の活用や物件の見直しなどさまざまな点について随時ご提案をさせていただいたり、ご相談を受けたりしています。
今回は土地の形や広さに制約がありましたので戸建賃貸をご提案したところ、お客様も同様のお考えでしたから営業打ち合わせもスムーズに進みました。土地の広さから3LDLを2棟として1棟を2LDKにして、駐車場もそれぞれ確保するなどの工夫をしました。
おかげさまで、竣工前に2棟の入居が決まり、もう1棟も竣工後すぐ決まりましたので、お客様も満足されていると思います。「女性の現場監督がよくやってくれた」と、施工を取りまとめてくれた勝山さんの評判も良かったです。


勝山 最初は、狭小地で駐車場も確保しなければならないということで大変かなと思いましたが、現場の大工さんや業者さんの協力もあり、工事自体は順調でした。規格住宅というのは仕事の内容が決まっていますから、急な変更や無駄が少ないのでその点は現場監督や施工業者さんにとってはやりやすいと思います。

ーー勝山さんは今回初めて現場監督を担当したと伺いました。

勝山 はい。初めての現場監督が一度に3棟ということで、しかも工期が短めということで大変かなと思いました。でも、石田顧問や現場の皆さんにサポートしていただいて無事仕上げることができて、自信にもつながりました。
ただ、ちょうど資材不足の時期でしたので、品不足や納期遅れで少し苦労しました。住設機器では最初に選んでいただいたカラーやデザインとは別のものに変更していただくなど、施主様にもご理解をいただいてなんとかしのいだものもあります。施主様と工藤さんとの間でしっかりお話が決まってからの仕事でしたし、戸建賃貸についてご理解のある施主様でしたから、その点でも助かりました。

ーー工藤さんは管理の仕事をされながら、戸建賃貸営業もこなしているわけですね。

工藤 今回はアパートやマンション、駐車場なども多数所有し、しかも戸建賃貸の経営もされているオーナー様ですから、それぞれのメリット、デメリットはよくご存じです。その意味では、話が早かったと言えますね。
当社が手掛けた戸建賃貸はすでに20棟以上になります。集合賃貸が余っていることは周知のことですから、私はこのお客様に限らず、新築をお考えのオーナー様には、まず戸建賃貸のご提案をしています。
私はこの会社に移る以前から、賃貸管理の仕事をしてきました。賃貸管理はただ建物を管理するだけでなぐ、オーナー様の資産を管理するわけですから、土地活用も賃貸物件の建築もオーナー様により有利なものをご提案すべきです。戸建賃貸なら希少価値、競争力がありますから、それをご提案するのは当然だと考えています。
日常の物件管理の仕事と不動産営業は違うように見られがちですが、私にとっては同じです。日常の仕事で信頼を得ているからこそご相談も受けるわけですし、ご提案を聞いていただくこともできます。今回の仕事も、私が日頃から考えている管理スタッフの仕事が形になったものと考えています。

建築の現場も
女性が活躍する世界になってほしい

ーー勝山さんは今回の経験を踏まえ、今後はどんな仕事をしていきたいですか。

勝山 子供の頃からテレビの「劇的ビフォーアフター」が好きだった私は、将来建築業界に行きたいと工業高校に進みました。すぐに現場の仕事がしたくて進学せずに就職し、郡上八幡の本社で1年の研修期間を経て、去年から岐阜支店で現場の仕事をさせてもらっています。今回、現場を任せていただいて、監督の立場でないとわからないことなど大変貴重な経験をさせていただきました。この経験をいかして、会社やお客様の期待に応えていきたいと思っています。
現場監督の仕事では施主様との対応も大事です。営業とまでは言えなくても、お客様がどんな色やデザインを求めているのか、それを伺ったりイメージづくりをお手伝いする必要もあります。それを支援するしくみがあれば便利かと思いますが、私自身も勉強してご提案できるようになりたいと思っています。
私自身の将来の夢は、私自身が自分の家を建てることです。現場での経験を積みながら、自分にとっての理想の家を建てることができるよう力をつけていきたいと思っています。
それと、今回私は現場監督をしましたが、応援で女性の大工さんが来てくれました。建築の現場ではまだまだ女性が少ないですが、女性が活躍する世界になって欲しいですね。

不動産会社が建築に参入するにあたり
最適なシステムだと感じた

人物写真不動産事業者として早い時期に洋館家本店の規格住宅に着眼したイキミ不動産・伊岐見淳社長に伺いました

株式会社イキミ不動産 
代表取締役 伊岐見 淳



伊岐見 当社は建築関係の仕事をしていた私の父が不動産会社として創業しました。1968年(昭和43年)のことで、最初はほとんど不動産売買だけだったようです。私は大学で建築を専攻し建設会社に就職しました。子供の頃から家には建築関係の人が出入りしていましたし、私が大学に入る頃は、建築業というのは花形でしたから。
16年勤めて、会社を継ぐために家に戻りましたが、不動産のことはまったくわかりません。ただ、会社に入ってわかったのはアパート・マンションの建築推進をすればその物件の管理のことも生じますし、建築業者に仕事を出すということも生じます。ただ売買だけをやっていればいいということではないいうことでした。そこで、いろいろ勉強し、情報も集めました。
そのような中で、ある講演会で最新の不動産営業のしくみを知りました。私は、その講師の先生の教えを実践することで不動産事業を学んでいこうと考えました。パソコンを使った、当時としては最新の営業手法でしたが、退職金をつぎ込み、銀行から借金をしてしくみを整えました。それが現在の不動産部門の基盤になっています。
先生からは、不動産会社として建築もやっていく方向についての情報もいただきました。規格住宅というのは、不動産会社が建築に参入するにあたり最適なシステムだと感じました。早速あるフランチャイズに加盟して規格住宅を手がけましたが、施工面がついてこない。自前で施工部隊を抱えることはできませんから困っていたところ、洋館家さんの存在を知ったのです。もっとも、流れはそのようなことですが、そこに至るまではいろいろ苦労もしました。しかし、施工店としてはヤマシタ工務店さんとの接点ができ、既に20棟以上お願いしています。 
創業から50年を超え、現在は娘が社長をしている注文住宅の部門も好調です。父の代から小牧で生まれ育ちましたから、これからも事業を通じてこの地域に貢献したいと考えています。

 

株式会社イキミ不動産


住  所/愛知県小牧市小牧四丁目213番地
代表者/代表取締役 伊岐見 淳
営業種目/不動産売買、賃貸仲介・マンション管理・レンタル倉庫・駐車場管理・マンスリー
マンション・空家管理・建築・リフォーム工事・不動産相談
電  話/0568-77-8002  
WEB/https://www.ikimi.co.jp
関係会社/株式会社ホームランディック一級建築士事務所

 

お客様の目的に応じた建物づくり
新しい手段PR手段も積極的に採用

人物写真イキミ不動産の建築部門で注文住宅を扱う伊岐見恭子社長に注文住宅と規格住宅、そして建築業のこれからについて伺いました。

株式会社ホームランディック一級建築士事務所
代表取締役社長 伊岐見 恭子


ーー注文住宅を手掛ける設計士のお立場で、規格住宅をどのようにご覧になっていますか?

伊岐見 ホームランディックはデザインを重視した注文住宅を取り扱っています。イキミグループの不動産部門が取り扱う洋館家さんの規格住宅とは方向性が異なるように見えるかもしれません。しかし、大切にしていることはお客様の目的をどう実現するかということですから、同じだと思います。
戸建賃貸住宅のオーナー様の目的は、どうやって収益を上げていくかですから、投資の大きな部分を占める建物コストはなるべく下げたい。それに応えるためには規格住宅が最適な選択の一つです。最初、洋館家さんの仕様を見た時、この価格でできるのだろうかと思いましたが、当社が既に数多く手がけた物件でもわかるように、施主様に満足していただき、満室稼働となっております。
注文住宅の方は、自分で住むために家を建てる人が、住まいに対する自分の思いをどう実現するかですから、その思いを形にすることが建てる側の仕事になります。具体的なイメージがわからない方にはイメージを提示し、また、イメージを建物として現実化するのが難しい場合は、それをお伝えして修正したり、コストの提示をしたりすることが大切です。

ーーYouTube「ROOM TOUR」が大好評と聞いています。これからの建築業界についてのお考えは。

伊岐見 おかげさまでチャンネル登録だけで7万人を超えています。コロナ禍で通常の営業活動がしにくくなっている中で、YouTubeでの物件紹介を始めました。これが大きな反響をとなり、1ヶ月で前年1年分に近い引き合いも来るようになっています。また、他社からも当社のチャンネルで自社物件の宣伝をしたいという申し入れもたくさんいただいています。
私は子供の頃からいずれ不動産と建築という家の事業を継ぐつもりでした。大学に不動産の学部はないので父と同じ建築を専攻し、建築士の資格を取って入社しました。デザイン性に優れ住みやすい家づくりを目指しましたが、最初は実績がありませんからなかなか注文が来ません。ある時、私のイメージを聞いてくださる方が物件を任せてくださり、その建物をモデルとして見ていただくことで、新しい仕事がくるようになっていきました。
住宅建築の営業では、やはり家を見ていただかなくてはなりません。今はYouTube動画でいつでもどこでも見ていただくことが可能です。おそらく、これからの建築営業は。YouTube動画やSNSをどんどん使っていくことになりますし、それができない業者は仕事が取れなくなるのだろうと思います。
また今回の戸建賃貸では、勝山さんという女性の現場監督に活躍していただきました。当社でも、私をはじめ女性のスタッフが半数を占めています。一般家庭の住まいづくりにあたって家庭内の女性の発言は大きいですし、女性ならではの気配りや気遣いは、住宅営業でも現場でも大切です。女性がもっと活躍する業界になって欲しいですね。

定価商品に付加価値をつけることも大切

人物写真現場監督の勝山氏をサポートしたヤマシタ工務店・石田幸次氏に周辺エリアの市場や洋館家商品について伺いました。
(石田氏は本誌第2号にも登場していただきました。)


株式会社ヤマシタ工務店 顧問 石田 幸次


石田 当社は岐阜県郡上市に本社があり、今回の小牧市の案件は岐阜支店が担当しました。郡上、岐阜、そして今回の小牧を含めた愛知県内はそれぞれ地域性が大きく異なり、住まいの好みも違います。それでも最近共通してみられるのは、あまりコテコテした家を好まなくなってきたということです。郡上などではまだまだ大きな家が残っていますが、結婚した子供夫婦のために新たに大きな家を建てるよりは、離れにコンパクトな家を建てて住まわせたり、年寄り夫婦が隠居所にしたりすることも増えています。洋館家の平屋の「和(なごみ)」などはそこに合った商品で人気です。
当社は総合建築業ですが、一般住宅では早い時期から規格住宅に着眼してきました。戸建賃貸住宅も、イキミ不動産さんはじめ多くの販売店さんの仕事を施工店として担当してきました。勝山が話しているように、大工さんにとっては規格住宅はやりやすい仕事です。反対に急な変更やなかなか決まらないという仕事はとても嫌がります。現場の監督や営業の仕事は、こうしたことを極力なくすことが仕事ですから、規格住宅は助かります。
一方で、定価が決まっている商品を売る場合、独自の仕様変更や追加工事についてどう費用回収するか、オプション提案等で付加価値をつけるか、といった点が大切であり、また難しいことでもあります。営業にあたっては最初からそのことをしっかり考えておく必要がありますね。

 

株式会社 ヤマシタ工務店


住  所/(本社)岐阜県郡上市大和町剣1760 郡上本店、岐阜支店、一宮支店、岐阜工場
代表者/代表取締役 山下健一
営業種目/総合建設業(建築・土木・造園・上下水道・一級建築士事務所)、不動産業開発全般
電  話/0575-88-2406  
WEB/https://yamasita-c.com/

 

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