Member Interview 27 

施工店・販売店インタビュー

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人物写真

リフォーム事業者の視点を持ち
メンテや将来を考慮した
住まいに

株式会社榮建トータル・ハウジング 大分支店
不動産新築事業部 統括本部長
藤原 淳司 氏


 大分県の別府・大分エリアを商圏とする榮建グループは、リフォーム事業から新築や中古住宅流通まで、住まいの様々な要望にトータルに応える体制を持っています。当社では低価格住宅のニーズに応える商材として、洋館家商品をラインナップしました。

株式会社 榮建トータル・ハウジング 有限会社 榮建リフォーム・システム
店舗


本社/大分県別府市南荘園19組
大分ショールーム/大分県大分市下郡南4丁目2番3号
代表者/代表取締役 石田 正人
営業種目/新築・店舗・住宅リフォーム・設計・施工・管理
電話/0120-770-992(大分支店)
WEB/https://www.eiken-h.com/



 低予算でも品質を落とさないために

ーーまず会社と藤原部長のプロフィールから教えてください。

藤原 当社はリフォーム専業からスタートした会社です。創業社長である石田の考え方は、「より良い住まいを求めるお客様の選択肢は新築だけではないはずだ」が原点でした。もちろんリフォームだけでなく中古住宅の購入の方が目的を達しやすいお客様もいるでしょう。また、やはり新築だという方もいる。そんな全てのニーズに応えていくべきだ、というところから現在の事業内容となっています。私自身は、この地域では最大手とも言える不動産会社に勤務し、仲介や売買、そして新築の建築販売に関わってきましたが、石田と出会い、顧客側に立った最適な住まいの提供という点に共鳴し、この会社に入りました。

ーー 洋館家商品を取り扱うようになった経緯は?

藤原 新築を選択するお客様も様々ですが、やはり大きな点はどれだけの予算をかけられるかということです。予算的な制約が強い方からのご要望に対して、私どもとしても可能な限りお応えしたい。でも、だからといって建物の基本的なところはおろそかにはできません。数多くのリフォームの仕事をしてきた私たちは、建物のメンテナンスの状態はもちろん、まず最初の段階がいかに大切かをよく知っています。低予算だからといって品質は落としたくありません。
 そのような中で、当社の石田が洋館家の存在を知りました。規格化することで低価格が実現し、しかもその商品の品質はとても高い。これならばお客様に勧められると判断し、会員登録をさせていただきました。

  本部が営業でも、自社フォローが大切

ーー 今回の堤オーナーの戸建賃貸住宅の受注ルートは?

藤原 本部からのご紹介です。数年前から洋館家グループの会員となっていましたが、洋館家商品の建築のチャンスがありませんでした。戸建賃貸住宅についても、正直、それほど積極的な営業をしていませんでした。戸建賃貸経営の将来性は理解しつつも、現時点でのこのエリアの地主さんで、それを考える方はどれだけいるのだろうかと。ところが、堤オーナーのような方がいらっしゃったんですね。オーナー自ら本部に問い合わせて、本部の松本さんがこちらまで出向いてしっかり説明されて、そして成約が確定した後に当社が紹介されたわけです。
 成約までの営業活動はありませんでしたが、だからといって当社もただ建てるだけということではありません。「定価」がある規格住宅ですから、施主様が選んだ商品を、その仕様とその価格でご提供することが大前提ですが、建築については当社なりの基本的な考え方があります。例えば、築後のメンテナンスを考慮した工夫などは当社のノウハウでもあります。そのような仕様の変更や付加について、施主様の負担を極力かけず、かつご理解いただくために、しっかりとコミュニケーションをとらせていただきました。幸い、今回は堤オーナーの全幅の信頼を得られたと考えています。建てた後も長くお付き合いいただけるようしっかりやっていきたいと考えています。


榮建トータル・ハウジング施工例

01topi

topics
 新築、中古、リフォームの全てに対応
 榮建トータル・ハウジングの考え方

 榮建リフォーム・システムを含む榮建トータル・ハウジングのグループは2000年(平成8年)にリフォーム会社としてスタートしました。創業者で代表の石田正人氏によれば、当時、リフォーム専門業者はまだ少なく、建築業者は新築事業主体が当然の時代でした。職人の多くは手間のかかる営繕工事を敬遠し、リフォーム工事は「片手間」という業者がほとんど。建築会社に勤める石田氏は、そんな業界の雰囲気に違和感を覚え、顧客が求める小さな工事も大切に行う建築会社を、と独立を決意しました。その創業の精神を貫く営業姿勢は地域に評価され、別府、大分エリアを中心に業容を拡大していきました。
 一昔前までは外壁の修繕や水廻りの交換など、住まいの修繕の範疇でおさまる工事が主体だったリフォームも、近年は間取り変更や増築、一軒まるごとの全面リフォームなどが増えています。以前は、暮らし方に合った住まいを求めるには新築という選択肢しかないとされていましたが、リフォームや住み替えも十分、その要求に応えられるようになってきました。
 こうした中で同社は「当社はお客様が家を建てるか、中古住宅を買うか、リフォームするかいずれの選択肢からも提案できることを大切にしたい」という考えのもと、新築、中古、リフォームの全てに対応した事業体制を構築しています。


大分ショールーム

web限定記事

  賃貸用のコスト削減の考え方

ーー賃貸住宅の建築実績は?

藤原 もちろん多数あります。集合タイプですが規格商品を扱ったこともあります。市内の一等地で、なかなか良い物件ですから、築後3~4年経つ現在も空室はありません。賃貸は施主さんが投資のために建てますから、なるべくコストは落としたい。でも、どこで落とすのか、そこが重要です。最近また、大手ハウスメーカーの不祥事が報じられていますが、建物の基本的な部分での手抜きは許されません。建物部分はしっかりやる。前述したように、当社は建物性能を高め、かつ後々のメンテナンスを考えて建てます。そこに多少コストをかけても、長い目で見てコストがかからないようにすることが施主さんのメリットになります。
 そうすると設備の面でどうやるか、ということになります。賃貸用の場合、入居者のことを考えねばなりませんが、なんでも取り付けてあれば親切かというとそうではありませんね。食器洗い乾燥機や温水便座などは新品は良いですが、入れ替わりで入居するときに、前の人が使っていたものは嫌です。入居者が自分で選んで買うもの、必要性を自分で判断するものなどは、付けないか、極力簡便で安価なものにしてコストを下げます。施主さんと入居者と、それぞれの立場に立って建てなければなりません。



  時代変化への対応が大切


ーー大分エリアの住宅市場の需要は旺盛ですか?

藤原 大分駅周辺の再開発などで中心部の地価は上がりました。引きずられて賃料も上がっていますし、マンションなどの建設も盛んです。企業や大学の誘致などもあり、郊外の住宅もまだまだ建てられるでしょうし、おかげさまで当社の受注残も多数あります。けれども、人口減少や住宅着工の鈍化、空室増加など全国的な傾向は、大分でもいずれ深刻化すると思います。県内では大分市一極集中になっていますが、だからといって、どんどん建てればいいということではないでしょう。リフォーム、中古住宅のリノベーションなど、当社は当社の強みを活かして営業していきます。
 私は長く大分市の隣の別府市に住んでいます。観光都市の別府は、昔から他地域からの流入者が多い土地柄です。当然、賃貸住宅の需要も大きかったわけです。けれども、別府の観光都市としての魅力が以前ほどでなくなり、特に町の中心部は衰退した感があります。そうすると賃貸入居者の質も下がり、良質の賃貸住宅は減ります。
 別府の老舗旅館の廃業や県外資本による買収も1、2件ではとどまりません。理由はいろいろあるでしょうが、地元の観光や商業の担い手たちの多くが保守的で、かつて繁栄した分、過去のやり方にこだわり、新しいものを生み出さなかったからではないかと思います。
 これは他の業種にも言えると思います。私たち建築・リフォームの業界も、時代の流れを見つつ、常に新しいことをしていかなければなりませんね。


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