巻頭 TOP MESSAGE
新しい生活様式に対応した
住まいづくり・住まい方を提案しよう
洋館家本店グループ代表 福田 功
7月になっても新型コロナウイルスの感染問題の収束はなかなか見えてきません。経済界の多くの人々は、第2波による緊急事態宣言や休業要請によるダメージを懸念しています。新型コロナウイルスへの特効薬が生まれたとしても、今後も新しい未知のウイルスは次から次へと出現してきます。私たちはそれを前提とした暮らし方、社会のあり方を考えていかねばなりません。住宅のあり方も、その前提で考えていかねばならないと思います。
ウィズコロナ時代の住宅営業
緊急事態宣言中の5月20日、不動産業界団体向けに「不動産業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を通達しました。この中で、事業者がとるべき対策として、「感染予防対策の体制整備」「事務所等における顧客との対応」「取引物件の対象となる現場での対応」などを具体的に示しています。
洋館家本店グループ代表 福田功
そこでは、「事務所等における顧客との対応」として、自社が管理するホームページなどに対応方針を掲載し、顧客に対して感染防止対策への理解を深めてもらうことや、「取引物件の対象となる現場での対応」では、モデルルームや現地案内所でも感染防止対策を示したポスターやロゴ、看板を設置することなどが挙げられています。
特効薬が登場し普及するまでは、「ウィズコロナ時代」ということで、感染対策と経済活動の両立という観点から、ガイドラインの趣旨に沿った対応を続けざるを得ないでしょう。その中でのさまざまな工夫も求められています。
本部においてもこの趣旨に沿った対応を行うとともに、4月の緊急事態宣言を受けた段階からは「営業のいない見学会」も実施しています。
営業のいない見学会
「営業のいない見学会」は通常の営業マンの帯同やお客様同士の見学時間の重複もなく、ゆっくりとご家族等だけで見学できる無人見学会です。完全予約制とし、営業担当者は鍵の開け閉めと遠目でのご挨拶だけと極力接触を避けて行います。もちろん、見学後は室内を消毒します。見学後の対応については、アンケートに面談方法をご記入いただき、メールや電話でのご提案、お見積りをさせていただくシステムです。
これは、緊急事態宣言を受けた対応ではありますが、感染拡大収束後も、対面営業を不安に思うお客様は少なからず存在するようになるでしょう。
新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言の解除後の世の中は、「アフターコロナ」とも「ウィズコロナ」とも呼ばれています。国民の多くが、3月以前の暮らしや行動とは、明らかに変わったともいわれています。政府が推奨する「新しい生活様式」が、感染の収束後も定着するのかは不明ですが、少なくとも1年程度は、3密や不要な濃厚接触を避けるという感覚は多くの人々が持ち続けるでしょう。
国交省「不動産業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」に示された不動産業界での取組事例
事務所等における顧客との対応
- 来店を誘致するDMやチラシ配布等に代えて、メール、電話、インターネット、ビデオチャット等を活用し、対面での接客機会が増えないように工夫する。
- 事前にお客様に来店・来場時の質問や確認したい項目を整理して頂き、事前送付してもらう等の工夫により、長時間の会話・接客を避ける。
- 来店時のマスク着用、アルコール消毒等を案内し、マスク着用のないお客様に対してはマスクの配布を行う。
- 来店時に発熱の有無等を確認する。
- お茶等の飲み物を提供する場合は、感染防止のためペットボトル等のまま提供する。
- 接客カウンターのお客様側座席の隣の組の間の距離を1メートル以上開ける。
- 接客カウンター等対面する場所はアクリル板・ビニールカーテンなどを設置して遮断する。
- 書類や鍵は極力郵送等追跡可能な送付方法で対応する。
- キッズスペース等子供を遊ばせるスペースは閉鎖する。
取引物件の対象となる現場での対応
- 現地案内を行う場合でも出来るだけ現地集合、現地解散とする。
- 現地案内中やお客様が車に同乗する場合は、マスク着用や窓を開放する。
- 物件の内見中は窓を開け常時換気し、お客様の入れ替えごとにドアノブの消毒を行う。
- お客様案内用の備品(スリッパ・手袋等)は、使い捨てに変える又は消毒を実施する。
- 居住中の物件の内見にあたり、居住者の意向を十分に確認し、長時間に及ばないように配慮する。
- 非対面で内見できる写真や動画、VR、バーチャルツアー等のWEBサービスの活用、WEB会議システムやビデオ通話を活用し担当者が現地から物件案内をお客様に視聴して頂くことにより現地内見件数の削減を図る。
『通販住宅』の時代が来る
これからは、あらゆる業種で営業の方法が変わると言われています。住宅営業も例外ではありません。大手ハウスメーカーの中にはWeb限定商品なども用意し、対面せずに住宅を売ることを始めたところもあるようです。リフォーム業界でも、オンライン商談はある種の流行になっています。
非対面で住宅を選ぶ……これはまさしく、私たちが長年追求してきた「住宅の通販」のスタイルです。非対面ですが説明が明快で、価格が明確でなければなりません。今回のコロナ禍は、『通販住宅』(本部にて商標登録出願中)に対する一般の認知と必要性を、より高めることにつながるのではないでしょうか。
ウィズコロナ住宅はソフトも大切
今回のコロナ禍では、これからの住まいづくりを考えるヒントがいくつかありました。
これから住宅は、ハード面だけでなく
ソフト面での企画力が求められる
例えば、緊急事態宣言中は、在宅勤務や学校閉鎖で家族全員が毎日家にいるという状況がありました。しかし多くの日本の住宅では、家族全員が1日中家にいてそれぞれがそれぞれの時間を過ごせるようにはできていません。狭いということもありますが、テレワークなどを想定した間取りにもなっていません。
「アフターコロナ・ウィズコロナの住宅はテレワークを想定しよう」という声は、住宅業界、不動産業界ですでに語られています。しかし私は、それは広さや間取り、あるいは設備といったハード面だけでは実現しないと思います。1日中家族が顔を突き合わせることで生じる人間関係のストレスを緩和させるソフト、それを支援するハードが必要だと思います。
知恵を出し合って乗り切ろう
コロナ禍によりそれ以前とは暮らし方に対する価値観が変わったという人は少なくないでしょう。だからといって、生活のあり様をすぐに変更したという人は稀です。それでも、多くの人が少しずつ、これまでの生き方について考え直し、より自分の人生にとって楽な選択をするようになっていくはずです。
その中の一つとしてよく言われているのが「住宅ローンを抱え満員電車で通勤する」ということの見直しです。これは、日本人の住宅に対する考え方を大きく変えるのではないかと思います。
それにともない私たちは、インドアライフ(室内生活)を見直す必要がありますが、そのことについてもさらに深く追求していきたいと思います。
いずれにせよコロナ禍は終わっていません。経済活動と感染拡大防止の両立が叫ばれる中で、経済に限らず、ここまでの経験を踏まえ、知恵を出し合ってこの困難な時代を乗り切ってまいりましょう。
現代の隠居所!? 高齢者向け平屋が好調
洋館家本店の高齢者向け平屋住宅「和みシリーズ」の販売が好調です。子が巣立った後の広い家、階段がある2階家を持て余している人々による平屋への住み替えは、今後ますます増えると予想されます。
ライフステージに応じた住まい
内閣府の高齢社会白書(2015年)によると、昭和55年(1980年)では世帯構造の中で三世代世帯の割合が一番多く、全体の半数を占めていましたが、平成27年(2015年)では夫婦のみの世帯が一番多く約3割を占めており、単独世帯と合わせると半数を超える状況です。また高齢者の子供との同居率は、「昭和55年(1980年)にほぼ7割であったものが、平成27年(2015年)には39.0%」で、現在、高齢者のみの世帯(単身、夫婦のみ)は総世帯数の6割に達するとみられています。
「和みシリーズ」はこうした層の“終の棲家”として開発された、健康や便利性を重視したバリアフリー仕様の平屋建て住宅です。「人生の最も充実した時期の住まい」として設計した2LDK・3LDK各4タイプは税抜762万円から852万円といずれも高品質低価格を実現しています。
「人生100年時代」ともいわれていますから、50代、60代であれば、将来の「隠居所」として建てておき、当面は賃貸に回すという選択もあります。
高齢者向け住宅は今後ますますマーケットが拡大していきます。ライフステージに応じた住み替え提案で、これからの住まいを提供していきましょう。
YCY News