巻頭 TOP MESSAGE
「借りるマイホーム」を普及させ
さらに付加価値の高い住まいづくりへ
株式会社 洋館家本店グループ代表 福田 功
令和2年、2020年を迎えました。オリンピック・イヤーである今年、洋館家本店は施工店・販売店の皆様とさらなる飛躍に向けた取り組みを進めてまいります。
私たちが展開する高品質な戸建賃貸住宅 「借りるマイホーム」 に対する関心はますます高まっています。こうした中で私たちは、競合を凌駕する付加価値の高い商品づくりを追求していきます。
施工店・販売店との関係を一層強化
昨年、当社グループではテレビCMの放映やインターネット広告の拡充などにより、「通販住宅」を本格化させました。広告効果が発揮され、本部への問い合わせも日に日に増えています。それを踏まえ、今年は受注の拡大とそれに対応した施工店ネットワークの拡充に一層努めてまいります。
受注体制では、本部による直接営業対応の拡充による成約率アップと、小規模施工店様も含めた多くの会員の発注増に向けた取り組みを強化いたします。また、協力メーカー各社との連携を一層強め、メーカーと会員の情報交換・接点をつくるなど、「会員であることのメリット」をより大きく「目に見える形」にしていきます。
ネットワークづくりでは、会員増強を進め「空白地」をゼロにし、「全国どこでも洋館家の住宅商品が建てられる」体制を整えます。200社程度の施工店が年間平均10棟以上を建設すれば、全国で年間2,000~3,000棟の建設実績となります。グループでそれを恒常的に達成できれば、メーカーの支援体制も一層手厚くなり、結果として会員と消費者への還元につながります。
同時に、実績ある会員へのメリットとモチベーションをより高めるために、不熱心な会員との差を明確化する方策も実施していきます。共に手を携え、お互いの事業を伸ばしていくために、志を同じくした「強い集団」づくりを進めるとご理解ください。
また、会員の皆様との情報交換の機会を増やすために、本誌の取材のほか、本部アドバイザーや提携メーカー社員などの施工店様・販売店様への訪問も活発化させる予定です。
プレゼンを成功させる調査を徹底
販路拡大とマーケティングでは、これまでの大手不動産仲介グループとの連携をさらに強化するとともに、新たに大手流通グループの関係会社とタイアップした地域戦略も展開する予定です。
大手流通グループの動きを見ていますと、選択と集中がどんどん進んでいます。新たな需要創出に貪欲に取り組むとともに、新店舗への進出や不採算エリアからの撤退での決断の速さには驚かされます。全国展開企業であれば当然のことですが、地場企業はなかなかそのようにはいきません。
地場企業の多い会員企業の皆様の中にも、人口減少などで自社の商圏の市場が悪化していることに危機感を持っている方も少なくないと思われます。しかし、本部が推進する全国展開、「通販住宅」が一般に広く認知されるようになれば、会員企業は地場依存単体経営からの脱却も夢ではありません。本部とともに商圏を拡大し、全国に展開することもできるのです。
新築需要の減退や、賃貸住宅での空室の増加、そして何よりも、賃貸物件投資に対する金融機関の融資抑制などにより、戸建賃貸住宅への投資も当面、資産家、「プロの大家さん」が主力となるでしょう。その層に営業していくためには、建設後の投資回収のしっかりとした裏付けが厳しく要求されます。それに応えるプレゼンテーションとするため、本部では立地などを徹底して調査し、情報提供します。
本部では全国展開を加速させていきますが、市場、環境などを踏まえた「戸建賃貸住宅に適した」立地条件を徹底して調査します。調査によりA~Dにランク付けた上で、A・Bランクであれば建設にゴーサインを出し、C・Dの場合は、例え施主様が建設を望んでも本部としては辞退します。入居者が入らない物件を建てればイメージが下がり、ブランドを毀損すると考えるからです。今年は特に、人口40~50万人程度の地方都市のA・Bランク立地の攻勢を強めます。
「借りるマイホーム」普及と付加価値アップ
人はそれぞれのライフステージでの目的に合致した住まいを選ぶべきであり、目的が変われば住まいも変えるのが本来の姿です。仕事と遊びに便利な立地を求める独身時代と、広さや環境を大切にしたい子育て期間とでは、優先することが異なります。子供の成長や教育に良い住宅の環境があります。多くの親たちは、子供のことを優先しますから、通勤の不便さを我慢したりします。でも、子供が巣立った後では、買い物や病院通いなどに便利で、住まいもあまり広すぎない方が楽だと感じます。
本来は、求めることに応じて住み替えていくことが、「幸せ」を実現する住み方のはずです。しかし、日本の社会では重く長い住宅ローンを背負い、人生を住まいに合わせるようなことが当然のようにされています。住まいを買い替えることのハードルは高く、住み替えるためには賃貸を選択するしかないのが現状です。
この不合理を解決するのが「借りるマイホーム」、私たちが普及を進める戸建賃貸住宅なのです。人口の減少や空室の増加、何よりも日本人の価値観の多様化の中で、賃貸住宅、とりわけ戸建賃貸住宅の需要が一層高まることは確実です。
戸建賃貸住宅の需要が高まることは、私たちにとって喜ばしいことです。でも、そうなれば当然、当社グループの競合も増えるでしょう。
今年の取り組みの一つとしては、この競合対策があります。他の住宅メーカーとは一線を画す取り組み、圧倒的な差別化をはかれる付加価値づくり、そういったことに具体的にチャレンジしたいと考えています。それは例えば、YCYブログでお伝えしている「より健康になる家づくり」であり「幸せを実現する家づくり」です。ブログをご覧になっていただければお分かりの通り、私たちのグループにとって、それは決して不可能なことではないのです。今年も「日本の住宅を変えていこう」という信念を持って事業を進めてまいります。
災害に強い住宅づくり
鹿沼市へ台風19号の災害復興支援寄付金を届ける。本部がある栃木県内では住宅だけでなく、名産のいちごを栽培する農家の被害も深刻。
昨年の重大ニュースとしては、台風15号、19号による豪雨浸水災害があげられます。一昨年の西日本豪雨に続き、昨年は東日本の各地で大きな被害がありました。被災された方々に改めてお見舞いを申し上げますとともに、1日も早い復旧復興を祈りたいと思います。
今回の台風被害における災害救助法適用自治体は14都県の391市区町村であり、東日本大震災(10都県の241市区町村)を超えて過去最大の適用となっています。全国では7万棟を超える住宅が浸水被害に遭い、農林水産業への被害額は1,000億円を超える見込みです。
自然災害の激甚化が懸念される中、「災害に強い住宅づくり」も私たちに課せられた重要な責務の一つであることは言うまでもありません。しかしながら、今回の豪雨災害のような洪水や土砂崩れによる被害を、一企業レベルで防ぐことはなかなか困難です。住宅供給事業者としてまずできることとしては、防災面での立地の調査、近隣河川等の災害リスクと防災対策情報の収集をしっかり行い、施主様に対して情報提供することなどがあげられるでしょう。そして販売にあたっては、災害時に対応する保険とその補償範囲について情報を提供し、最適な加入をお勧めしていくことも大切です。
これまで、住宅や土地の担保価値を平面でしか見ていませんでしたが、災害リスクも加味する必要があると考える金融機関関係者もいます。投資物件の立地調査をする私たちも、そのような視点と知識が必要なのかもしれません。