今後の戸建て賃貸ビジネスを考えるためのDATA
外国人急増中!
日本人は減り、外国人が増加
東京では増加世帯の3割が外国人
人口減少を食い止めている外国人人口
少子高齢化で、日本では子どもも子どもを産む年齢層も人口が減っています。
直近の日本人人口は1億2,495万人。昨年1年間で30万人の減少です。福岡県久留米市や岩手県盛岡市と同規模の人口が減ったことになります。
その一方で、増えているのが外国人。1年間で14万人近くも増えています。この数字は、観光客ではなく、住んでいる人の数で、東京都青梅市や滋賀県草津と同規模です。これだけの人口が1年間で増えています。日本は島国で単一民族に近いと言われ続けてきましたが、少しずつ外国人に門戸を開いているようです。
東京では人口の3%強、50万人が外国人に
外国人人口を都道府県別に見ると、東名阪の大都市がやはり多くなっています。東京では50万人を超え、人口の3%強まで増えてきました。
賃貸住宅に関連の深い「世帯数」を総務省の住民基本台帳で見ると、2016年の1年間に日本の世帯数は45万世帯増えています。人口減なのに世帯数増なのは、未婚化、晩婚化、離婚増加などにより、世帯数が増えて世帯人口が減っているからです。
増えた世帯数のうち、外国人世帯は約5万世帯。ただ東京だと、増加世帯数のうち外国人世帯が3割を超えるというデータもあります。
外国人が顧客に
外国人入居が普通の時代に!?
賃貸に住む比率が高い在留外国人
外国人の賃貸居住比率は半数を超える
増え続けている外国人はどこに住んでいるのかというと、「民営の借家(マンションやアパートも含む)」が約半数。日本人はだいたい3割なので、賃貸住宅に住む割合が高くなっています。持ち家も3割強と高く、戸建て住宅への抵抗感も少ないようです。
地域にもよりますが、大都市圏やその周辺から、これからは戸建て賃貸の入居者としても、外国人は避けて通れない時代になっていくでしょう。
実は、2016年に外国人の人口増加率が一番高かった市町村は北海道石狩市で、約90%増、ほぼ倍増です。
このように地方でも、工場やリゾート誘致などで急増することがあります。
中国人、韓国人が多く、ベトナム人が急増中
外国人=欧米人のイメージがある方もいるかもしれませんが、旅行でも移住でも、やはり多いのは近場の国。中国人、韓国人、フィリピン人です。以前多かったブラジル人は減り続け、ベトナムが抜きました。ペルー人の増加も目立ちます。
在留外国人は若年層が多く、日本で一番外国人人口が多い東京都新宿区(人口の12%、世帯増加数の60%が外国人!)では、20~24歳人口の35%が外国人です。それは極端ですが、これから日本人の人口は今以上に速く減っていきます。
そんな中で、増加する外国人の賃貸需要に対応することを真剣に考える時期かもしれません。
賃貸ビジネスNEWS
外国人に部屋を貸すための基礎知識
外国人のためのサービスも登場
空き室問題が政治的に問題になるほど賃貸経営に厳しい状況が続いています。その状況でも外国人に部屋を貸すオーナーは少ないのが現状です。しかし、これからの不動産事業で外国人対応が可能であれば、差別化できます。そのための基礎知識をご紹介します。
外国人が日本に住む目的は?
成田などの空港で外国人に「YOUは何しに日本へ?」と聞くテレビ東京系の番組が人気ですが、目的によって、探す物件や求める条件が変わってくるでしょう。
グラフのように、永住者や定住者、家族滞在といった、日本に住み続ける可能性の高い人が6割を超える数字です。
【DATA5】在留外国人の日本に住む目的は?
※永住者:10年以上日本在住で納税し犯罪を犯していない等の外国人
特別永住者:在日韓国・朝鮮人、台湾人とその子孫
定住者:日系外国人や日本人の元配偶者など
※資料:法務省入国管理局「平成28年末現在における在留外国人数について(確定値)
文化やルールの違いは知ることから
日本賃貸住宅管理協会が賃貸オーナーに行ったアンケートによると、外国人に部屋を貸す際の不安は、トラブルへの対処方法、家賃滞納や無断帰国、生活ルールのトラブルがトップ3。国の違いによる賃貸ルールの違いからトラブルになるケースもあるようです。各国のルールを見ていくと、礼金や更新料、保証人といったルールは実は世界的にも珍しく、日本がかなり特殊であることがわかります。特殊なルールをわかってもらう歩み寄りが必要なのかもしれません。
家賃保証やトラブル相談機関も
オーナーの不安を解消するための公的サポートや民間サービスも出てきています。
- 外国人専用の保証会社
早くから外国人の部屋探しをサポートしてきた、グローバルトラストネットワークス。滞納賃料48カ月まで保証。物件明渡しまでの法的手続き費用、残置物搬出保管・処分費用も負担。英語・韓国語・中国語・ベトナム語・ネパール語に対応と、心強いサービスです。 - 国際交流機関でもトラブル相談可能
オーナー不安の1位「トラブル対処」は言葉の問題も大きいので、官公庁や自治体、NGO、NPO法人など国際交流の専門家に頼れる場合があります。
たとえば神奈川県川崎市の「川崎市居住支援制度」では家賃保証や入居後のトラブル対応制度があります。千葉県では「外国人学生住居アドバイザー」制度があるなど、各地で同様の制度があります。
国際交流協会や国際交流センター、自治体の場国際課や国際政策課などに問い合わせてみてください。
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