コロナ禍で私たちの生活様式や暮らしの価値観は一変しました。ライフスタイルや働き方が多様化し、人々の住まいに対する考え方にも変化が起きているようです。クックパッド株式会社とアルヒ株式会社が共同でまとめた「料理と暮らし白書2021」から、住まいに関する項目をピックアップし、コロナ禍がもたらした変化について具体的に見ていきます。
最初に「今の住まいの中で最も改善したい空間」について見てみると、「リビング」(16.6%)、「キッチン」(15.0%)、「洗面所・浴室・トイレ」(10.1%)が上位となりました。
リビングは、仕事場として使用する人も多くなり、おうち時間の増加により、長く過ごす場所を快適化したいというニーズが読み取れます。キッチンの割合はあらゆる世帯で高く、料理をする頻度や時間が増えたことに加え、パートナーや子どもなど、キッチンに立つ人も増えたことで、様々な不満が出てきたと予測できます。
「コロナ禍をきっかけに、新居の購入や住み替えなどを実施・検討した?」との質問には、全回答者4,095名のうち920名(22.5%)が、何らかのアクションを起こしたと回答。5人に1人以上の人が住まいを見直していることになります。
その中で「住宅を購入」は10.4%、「住宅の購入を検討した」は25.7%にのぼりました。リフォームや引っ越しをした人も多く、コロナ禍で変化した暮らしに寄り添う住まいを求め、ライフスタイルに合うよう、住まいを見直していることが分かります。
「次に住まいを選ぶ際に、居住地域に求める条件」では、「日常の買い物の利便性」(62.5%)、「治安の良さ」(50.8%)が半数以上、「最寄り駅までの近さ」も43.7%と高く、駅近人気が根強いことも浮き彫りに。
買い物の便利さや治安の良さはコロナ禍前から重要視されていましたが、自宅やその周辺で過ごす時間が増え、より大切したい条件と考えられているようです。コロナ禍により、気軽に買い物ができる利便性や安心して暮らせる住環境のありがたみを、今まで以上に感じた人が多かったのではないでしょうか。
購入・住み替えを実施・検討している物件について聞いた結果では、「新築戸建て(建売住宅)」(25.7%)が最多。「土地付き注文住宅」(14.5%)、「注文住宅(建物のみ)」(11.3%)、「中古戸建て」(11.0%)を合計すると62.5%の人が戸建てを希望している結果となりました。 コロナ禍での生活様式の変化で、仕事部屋やパーソナルスペースの必要性を実感する人が増え、広さが確保しやすい戸建てのニーズが高まっていると考えられます。なお、新築と中古を比較すると、コロナ禍でも依然として新築人気が高い傾向にあることが分かります。
コロナ禍で活躍する家電 3選
「スマート家電」など
話題の製品をご紹介
コロナ禍では、おうち時間がより楽しくなるような製品や、非接触がかなう製品が注目を集めていますが、中でも人気なのが、インターネットを通して遠隔操作ができる「スマート家電」。最新のスマート家電を中心に、今、話題の3点をご紹介します。
画面付きも登場! スマートスピーカー
AIアシスタントによる音声操作で、いろいろな指示が出せる「スマートスピーカー」。接触不要で、話しかけるだけで、音楽鑑賞、インターネット検索、対応家電の操作、買い物などができるのが特徴です。 Amazon、Google、LINEなどから製品が発売され、ある調査では、回答者の半数近くが所有しているという結果も。最近、スピーカー機能+画面付きの「スマートディスプレイ」が登場し、人気を集めているようです。
便利な機能が満載! スマートリモコン
エアコン・テレビ・照明といった家電を1つのリモコンで操作できるのが「スマートリモコン」。主にスマホのアプリで操作しますが、電源のオンやオフだけでなく、家電のタイマー設定を可能にしたり、外出先から遠隔操作ができるなど、生活を便利にする機能が満載です。たとえば、室内で使うだけの場合と外出先からも操作したい場合では必要な機能が違ってくるため、目的にあったタイプを選ぶことがポイントとなるようです。
今や必需品! 自動ソープディスペンサー
手をかざすだけでハンドソープが出てくる自動のソープディスペンサー。コロナ禍をきっかけに、公共の場に限らず、家庭にも急速に普及しています。非接触でハンドソープが出るだけではなく、量を調整できる、高感度センサーですばやく反応する、充電式で置き場所を選ばない、多様な洗剤に対応できる、防水仕様…など様々な機能が付加された製品が登場しています。選ぶ際に、デザインにこだわる人も多いようです。