コロナ禍による在宅時間の増加で、住宅環境が気になる人が増えているようです。中でも「室温」は居住者の健康への影響が大きいと言われ、WHOの住宅と健康のガイドライン(WHO Housing and health guidelines)では、適切な温度管理が推奨されています。ヒノキヤグループが実施した、戸建て住宅の室温に関する調査でも、興味深い結果が出ていますのでご紹介します。
調査を実施したのは、注文住宅事業を展開するヒノキヤグループ。コロナ禍で戸建て住宅の需要が増加傾向にあり、テレワークなどで在宅時間が増えるなか、住宅内の温度とストレスの関係がわかるデータになっています。
では実際、居住者は室温にどの程度ストレスを感じているのでしょうか? 夏と冬の室温に「不安・心配」や「不満・ストレス」が「ある」と回答した人は、すべての項目で約8割を占めました。ほとんどの居住者が、1 年中、室温に何かしらの不安やストレスを感じ、我慢しながら生活している様子が浮き彫りになっています。
年齢別に見ると、さらに興味深い結果が出ています。暑さ、寒さともに、20代が一番ストレスを実感しており、どの項目も年代が上がるほど、「特に無い」の割合が増えています。エアコンに慣れている若者は室温に敏感で、年配者には「家が暑い・寒いのは当たり前」という考えが定着していると見受けられます。
高齢になるにつれ、体温調節機能や感度が低下するうえ、節約志向が強く、エアコンを使わない人も多いようです。高齢者の住宅では、設備の整備や、周りの気配りも必要ということが、この結果からもわかります。
次に、室温への不満やストレスを感じる場所について見てみます。1位が「トイレ」 44.6%で、「寝室」41.2%、「浴室」40.6%と続きます。比較的滞在時間が長い場所では、「リビング」28.6%、「ダイニング」12.0%と低く、たまにしか行かない場所でストレスを強く実感していることがわかりました。
戸建て住宅は集合住宅に比べると外気の影響を受けやすく、対策が行き届かない場所が多くなると考えられます。戸建て住宅の「室温対策」は、賃貸物件のセールスポイントになるかもしれません。
室温に関する不安やストレスの対処方法では、夏は 1位「部屋ごとの冷房機器の使用」58.2%、次いで「薄着をする」41.8%、「冷たいものを食べる・飲む」40.6%となりました。冬は1 位「厚着をする」60.8%、次いで「部屋ごとの暖房機器の使用」56.0%、「掛け布団の調整」46.2%となっています。
機器の使用以外には、服装や食事を工夫し、光熱費の削減をしている様子がわかりますが、夏は衣食ではなく「冷房機器の使用」が 1 位であることから、寒さより暑さのほうが我慢できない人が多いと推察できます。
※引用データ: 株式会社ヒノキヤグループ|「住宅の室温に関する調査」
省エネにもなる暑さ対策 3選
低予算で手軽に使える暑さ対策商品をご紹介
最近では、熱中症予防のためにも、夏場は積極的にエアコンを使うことが推奨されています。一方、光熱費を心配する声も多く、省エネや節約につながる手軽な暑さ対策を取り入れたいものです。便利な商品も続々と登場していますのでご紹介します。
栽培セットもある緑のカーテン
環境省によると、葉の十分茂った緑のカーテンは日射の熱エネルギーを80%カットする遮蔽効果があり、すだれの50~60%に比べ、とても優れているそうです。
栽培に必要な物が一度に揃うセット商品もあり、初心者でも簡単に始めることができるとか。植物は定番のゴーヤやへちま、パッションフルーツも人気が高く、冷涼地域ではホップを育てる人も。広さや日当たりなど、設置する場所でも、選ぶ基準が変わりそうです。
家庭にも設置できるミストシャワー
ミストシャワーは、公園やイベント会場、通路など、いろいろな場所に設置され、今では冷却設備の「新定番」として広く利用されています。
最近では、家庭の庭やベランダにミストシャワーを取り付けできるキットが、ホームセンターなどで売られるようになりました。蛇口に繋ぐだけなので、取り付けは簡単。延長コードやノズルセットなどの関連器具も用意されています。
洗濯物も干せる日よけスクリーン
様々なタイプが販売されている日除けスクリーン。英語で「日よけ」「雨覆い」を意味する「オーニング」と表記される商品も多いようです。
中には物干し竿付きで、ポールにも竿受けがついているユニークで便利なオーニングもあります。取り付け工事は不要で、軒下に突っ張るだけでOK。使わないときはコンパクトに巻き上げられ、日差しの角度にあわせて無段階で調整することができるようです。