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アットホーム「地場の不動産仲介業における景況感調査」
人気のペット可賃貸物件
最新事情

近年、日本はペットブームといわれ、ペットの数が子供の数を上回るようになりました。コロナ渦による働き方や住環境の変化で、ペット可住宅のニーズも高まっているようです。そこで今回は不動産情報サイト「アットホーム」が2020年12月に賃貸仲介会社を対象に行った調査から、ペット可物件の需要の変化やメリット・デメリットを見ていきます。

ペット可物件のニーズは前年より増加

 不動産情報サイト「 アットホーム」の特集ページの中でも「ペット可(相談可)物件特集」が閲覧上位となるなど、ペット可物件の人気は高いようです。では、ニーズは前年と比べて、どう変化しているでしょうか?

 前年と「変わらない」が約半数を占めますが、「増えた」と「やや増えた」の合計は37%で、「減った」と「やや減った」の合計 8%を大きく上回り、前年より増加していることがわかります。コメントなどから、若い女性や一人暮らし、子育てを終えた世代を中心にニーズが増加したことが、その要因と考えられます。

ペット可物件のニーズを前年と比べると?

ペット可物件のニーズを前年と比べると?

ペット可と不可物件の家賃差は5,000円以内

 次に、ペット可物件と不可物件の家賃差をみてみます。「差はない」は全体の 19%にとどまり、ペット可物件の8割以上が、ペット不可物件の家賃を高く設定している結果となりました。最多の家賃差は、3,000~4,999円となっています。

 家賃差が、成約の障害となるケースもあるようです。ペット可物件のニーズが「減った」と回答した中に、「初期費用で敷金がプラスになることがネック」「以前は多少家賃が高くても妥協してくれたが今は妥協しない」等のコメントがみられました。

ペット可物件と不可物件で家賃差はありますか?

ペット可物件と不可物件で家賃差はありますか?

ペット可物件のメリットは他物件との差別化

 次にペット可物件のメリットをみてみます。「他物件と差異化でき競争力強化になる」が突出し、最大の強みとなっているようです。高家賃でも問合せが入りやすいとの回答も多くなっています。

 この調査では、「全取扱物件に占めるペット可物件の取扱割合」も質問していますが、10%未満が約7割を占めています。取扱割合は低いもののニーズは増加していることから、少ない物件を取り合っている状況といえ、この結果からも、ペット可物件は、成約に早く結びつき、入居率が高まると考えられます。

ペット可物件のメリットは?(複数回答、最大 3 つまで)

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ペット可物件のデメリットは金銭トラブル

 ペット可物件のデメリットとしては、「原状回復費などお金のトラブル」「鳴き声や足音・臭いなど近隣トラブル」が突出し、「ペットを飼わないユーザーに敬遠される」「ペットを飼っていない他の入居者からのクレーム」も多くなっています。

 ペット可物件は大きなメリットがあるいっぽう、トラブルを避けて通れないのが現状のようです。「トラブルと賃料の上積みとの兼ね合いがとれず、結果、損害を被ってしまうケースがある」といったコメントも見られ、ペット可物件の取扱割合が低い要因のひとつとも考えられます。

ペット可物件のデメリットは?(複数回答、最大 3 つまで)

ペット可物件のデメリットは?(複数回答、最大 3 つまで)

※引用データ: アットホーム株式会社|地場の不動産仲介業における景況感調査(2020 年 10~12 月期)

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