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Afterコロナに向けた不動産業界の「DX意識調査」
新型コロナで不動産業界はどうなる?

世界中に大きな影響を及ぼし続ける新型コロナウイルス。今後の不動産業界はどうなるのか、イタンジ、WealthPark、サービシンク、スペースリー、ダイヤモンドメディアライナフ、一般社団法人不動産テック協会が2020年6月24日に発表した調査の結果から、アフターコロナ時代を見ていきます。
引用データ:Afterコロナに向けた不動産業界の「DX意識調査」

外出自粛で「店舗への来店」が減少

 今回の新型コロナウイルスは、対面での接客が多い不動産業界には特に大きな影響を及ぼしそうです。調査回答でも、売上や内見数、来店数の減少と、対面がメインの業務が上位を占めています。経済活動が大きく制限され、経営が傾いた会社や収入が減った個人による入居キャンセルや家賃滞納、家賃減額交渉といった家主にとって頭の痛いことも増えています。
 テレワーク(在宅勤務)の増加によるオフィス需要の減少、逆にテレワークによる広い部屋を求め、郊外や戸建て賃貸の需要増など、人気物件も変わりそうです。

新型コロナウイルスは業務のどの部分に影響がある?

新型コロナウイルスは業務のどの部分に影響がある?

不動産会社にもデジタル化が期待される

 コロナのような新型ウイルスによる感染症は、インフルエンザ、SARSなど、これまでも今後も定期的に起こります。その際に毎回今回のような影響を受けないために期待されているのが、不動産業界のデジタル化、テクノロジーの活用です。ビジネス用語では、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」と言われます。
 調査では現在、全体の6割が既にDXに取り組んでいて、残り3割も取り組む予定という結果に。企業規模が小さいほど取り組みが進まず、100人以下では半数以上が「まだ」で「予定なし」という結果となっています。

自社でDX(業務デジタル化)に取り組んでいますか?

自社でDX(業務デジタル化)に取り組んでいますか?

契約や内見対応もデジタル化したい

 実際に不動産会社で、どんな業務をデジタル化、テクノロジー化したいかという質問に対して、1位の「物件募集」は現在でもデジタル化が進んでいる分野ですが、同率の「契約」は今は書類とハンコ、重説などで作業が煩雑な上に対面も多い業務。ここが効率化すれば不動産業界の構造が変わるほどインパクトが大きい課題です。
 3位の「内見対応」も不動産業界にとっては、絶対必要ながら多くの時間を取られる業務だけに、VR、3D、オンライン内見システムなどツールも登場していて、今回のコロナの影響で導入が本格化しそうです。

DXを取り入れたい業務は?

DXを取り入れたい業務は?

社内向けツールと社外向けツールで温度差

 業務のDX化を支えるツールについては、コロナ後に導入が決まっていたり、導入を検討しているものは多岐に渡ります。傾向としては、「ウェブ会議室システム」「チャットツール」「勤怠システム」といった、社内向けのツールに関しては導入が決まっている企業も多くなっていますが、「電子申込」「電子契約」「オンライン内見·VR内見」といった社外向けのツールに関しては、導入を検討する段階という慎重派の企業が多くなっています。
 ちなみにITツールを導入した企業では、9割が効果を実感しているそうです。

コロナ後に導入·検討しているツールは?

コロナ後に導入·検討しているツールは?

賃貸ビジネスNEWS

新型コロナのオーナー支援策
給付金、特別融資、支払猶予など使える制度が

 賃貸オーナーにとって厳しい時期が続きます。入居者の賃料減額や免除の交渉、入居キャンセルや転居など、急な話だけに困っているオーナーも多いことでしょう。そこで政府はかなり幅広い支援策を開始しています。

収入が大きくダウンしたら持続化給付金

収入が大きくダウンしたら持続化給付金  新型コロナウイルスの影響で、ある特定の1カ月の売上が前年同月の半分以下になった場合、法人200万円、個人事業者100万円を上限に現金が給付される「持続化給付金」が創設されました。家賃収入を確定申告で「事業収入」で計上している必要があり、2021年1月15日が申請締め切りです。
 なお、コロナの影響で賃料の減免を行った場合、損害額を税務上、損金計上できることも決まっています。

資金繰りに困ったら無利子·無担保融資

資金繰りに困ったら無利子·無担保融資  融資による支援も幅広く、実質無利子·無担保で最長5年間は元本返済不要、最大4000万円という大型の融資制度です。政府保証付きの民間金融機関融資、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫等などが貸出を行っています。個人事業主か企業か、コロナの影響で売上高がどのぐらい減ったか、設立からどの程度経っているかなどによって受けられる支援が変わりますので、経済産業省の「資金繰り支援内容一覧表」をご確認ください。

税金、社会保険料、公共料金の猶予も

税金、社会保険料、公共料金の猶予も  支払い猶予制度もあります。税金は国税、地方税、法人税、消費税などほとんどで申請すれば1年間程度の猶予があります。固定資産税や都市計画税は免除·減額される場合も。社会保険料や公共料金(電気、水道、ガス等)も支払い猶予してもらえる可能性があります。
 ちなみに、テナント向けの家賃支援給付金の創設も決まりましたので、家賃減免や支払い猶予を申し入れられて交渉する際には紹介してみることをお勧めします。

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