今後の戸建て賃貸ビジネスを考えるためのDATA

  穴場ランキングでは「北千住」が1位に

　リクルート住まいカンパニーが毎年発表している「住みたい街ランキング2018」が発表されました。上位には例年通り交通の便利なターミナル駅が並びます。恵比寿や品川といった山手線内の都心と、都心から20～30km（だいたい電車で30分以内）の近郊が人気です。30km以上離れると、鎌倉が14位に出てきます。
　これは夢なので、より現実的な「穴場」ランキングを見ると、北千住、赤羽、和光市、大宮、柏、守谷、川口、蒲田、池袋、田端がベスト10。特徴は始発駅が多いことです。朝晩のラッシュが影響していることが伺えます。

  札幌は「さっぽろ」、仙台は「仙台」1位

　札幌はかなり人気が集中していて、JRや地下鉄が集まる北海道最大のターミナル駅さっぽろが1位、閑静な住宅街として人気が高い円山公園が2位に。この二つの街が断然人気が高くなっています。3位以下は交通の便利な駅が人気になっています。
　仙台のランキングは新幹線に高速バスに地下鉄にと便利な仙台が1位。2位の長町は大規模開発が進んできた発展中の街です。長町南も近くです。ファミリーが住みやすい泉中央、歴史情緒のある北仙台も人気です。地下鉄南北線に人気が集中しています。

  穴場ランキングでは「塚口」が1位に

　西日本の住みたい街ランキングは、いわゆる阪神間（大阪と神戸の間）が人気に。ほぼ中間に位置する便利な西宮北口が１位です。夙川、岡本と阪急神戸線もベスト10に入っています。特徴的なのは唯一滋賀県から草津が10位になったことです。京都より上です。JRの始発駅、新幹線、高速道路など交通の便が良く、自然も多いことから住みやすい街として知られています。
　穴場だと思う街ランキングは、塚口、尼崎、大津、東三国、梅田という順に。３位までは駅周辺が再開発中の街になっています。

  広島は「広島」、福岡は「博多」が1位

　広島の住みたい街ランキングは、便利な上に周辺の再開発が進む広島が１位に。２位以下を大きく離しています。広島に近いものの閑静な住宅街で３年前に開業したばかりの新白島、情緒ある町並みの横川、イオンモールやマツダの工場に近い天神川も人気です。
　福岡は便利で再開発で新しくなる博多が１位。緑多い高級住宅街として知られる大濠公園、繁華街の中心である天神に近く地下鉄工事も進む薬院、ヤフオクドームをはじめ博物館や図書館などの公共施設が多い西新も人気です。全体に地下鉄空港線の人気が高くなっています。

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住みたい街が人気を集める理由

交通の便と再開発と環境が影響

各都市の住みたい街ランキングを見てきましたが、人気になる街にはある程度共通点があります。まず、交通の便が良く、複数の路線が使えること、駅周辺が再開発されていること、住・遊・自然どれかの環境が良いことです。その代表が横浜と西宮北口です。

【横浜】海と山に囲まれた文化ある街

　横浜は大阪より人口の多い日本2番目の大都市です。その中心である横浜駅は11路線（乗り入れ含めると16路線）が集まる便利な場所です。にもかかわらず、海と山が近く、緑豊かな公園も多くあります。
　文化的な場所が多いのも特徴です。山手の異人館街、中華街、赤れんが倉庫など、歴史と異国情緒を感じられる場所が近くに集まっています。日本を代表する現代アートの国際展も人気です。
　さらに、再開発ラッシュ中の街でもあり、高層ビル、大学、ロープウェーなど、わくわくするような話題が多く、今後も人気が高まりそうです。

【西宮北口】教育熱心な標準語の街

　大阪と神戸の中間に位置する西宮北口。ブランド路線である阪急電車のターミナルではあるものの、2路線しか乗り入れていません。しかし、駅に直結して巨大なショッピングモールがあり、徒歩圏内に施設が集中しているため、生活や遊びには便利です。 　環境は横浜同様、山と海が近く、美しい川もあります。住宅地の環境も良く、高級住宅街が点在しているのも人気です。
　そして、教育熱心な街としても知られています。駅前には塾と予備校が集まり、大学も近くに複数あり、子育て世代からの高い人気を得ています。標準語比率の高い街として、転勤族にも人気です。