今後の戸建て賃貸ビジネスを考えるためのDATA
入居者の視点
部屋はセキュリティで選ぶ
家賃やロケーションと並ぶ条件に
入居者の関心は家賃?セキュリティ?
賃貸住宅への入居者は、何を優先して物件を選んでいるのか。入居者の関心は、だいたいどの調査でも、家賃、場所、セキュリティがベスト3に挙がります。どういう家づくりがいいのかを考える際、場所は動かせないので、家賃とセキュリティでどちらを重視するのか、性別年齢層別に比重を測る調査を見てみます。
それによると、やはり全体的には家賃重視派が多くなっています。特に男性は圧倒的に家賃重視派です。しかし女性は、かなりセキュリティ重視派が増えます。積極的な家賃派よりは積極的なセキュリティ派のほうが多いほどで、こだわる人にとっては「多少高くなってもいい」から得たいのがセキュリティだと言えそうです。
【DATA1】部屋選びで重視するのは「家賃」?「セキュリティ」?
※データ: 「『ひとり住まいの安心・安全意識』アンケート」株式会社FJネクスト
https://www.fjnext.com/ss/2017/11/pr_20171128.pdf
入居者が希望するセキュリティ設備
では、具体的に入居者はどういうセキュリティ設備を求めているのか。同じ調査で、セキュリティ意識の高い女性のみのデータを見てみます。
結果は、「モニター付インターホン」「ドアスコープ」という来訪者の顔が確認できる設備のニーズが高くなっています。ほかは「ドアチェーン」「2重ロック玄関ドア」など、侵入者を部屋に入れない設備です。
戸建て賃貸対象のデータは見あたりませんでしたが、分譲住宅の調査では、ファミリー層は「ホームセキュリティ」のニーズが高くなっています。今後は賃貸にも付く可能性があります。
この結果を見ると、「セキュリティとは空き巣などの不審者を中に入れないこと」を求めているとわかります。
【DATA2】部屋のセキュリティ設備で欠かせないものは?
※データ: 「『ひとり住まいの安心・安全意識』アンケート」株式会社FJネクスト
https://www.fjnext.com/ss/2017/11/pr_20171128.pdf
空き巣の視点
侵入窃盗は1日100件以上
その侵入口と侵入手口はこれだ
空き巣はどこから侵入する?
実はほかの犯罪同様、空き巣など警察用語でいう「侵入窃盗」の数も減っています。警察庁の全国のデータによると2002年の7万6千件強をピークに減り続け、2016年は約4万件と半数近くまで減りました。しかし、まだ1日100件を超す侵入窃盗が発生しています。
一般住宅への侵入窃盗は、空き巣(家族が不在時に侵入)、忍込み(主に夜間に家族の就寝時に侵入)、居空き(家族が昼寝や食事中の隙に侵入)で、多くは空き巣です。
気になる侵入口はといえば、戸建て住宅の場合、窓が半数以上と圧倒的です。セキュリティ設備で要望の多かった玄関周りは意外と少ない印象です。その他の出口(勝手口など)と同程度の数字です。
【DATA3】戸建て住宅への侵入口はどこから?
※データ:警察庁|住まいる防犯110番(2016年分)
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_d_1.html
戸建て住宅への侵入手口は?
窓を中心とした侵入口から、どんな手口で侵入しているのか。これは驚きの「無締り」(鍵がかかっていない玄関や窓から侵入)が1位です。セキュリティ設備というよりセキュリティ意識の問題です。ただ、この数字は日本全体のものなのですが、東京都(警視庁)のデータで見ると、1位はガラス破りで60.9%、2位の無締り30.1%の倍の数字です。今まで鍵をかけなくても問題なかった地方の都市などでも油断できないということでしょう。
日本全体でも東京でも、鍵をこじ開けて侵入する「施錠開け」は4%弱しかありません。セキュリティ設備というと、とかく玄関を何重にも守りがちですが、窓ガラスへの対策が欠かせないことがわかります。
【DATA4】戸建て住宅への侵入手口は?
※データ:警察庁|住まいる防犯110番(2016年分)
https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_d_1.html
賃貸ビジネスNEWS
最新!安価で後付OK セキュリティグッズ
侵入口と手口を考えた対策を
セキュリティが重要とはいえ、賃貸住宅に高性能な防犯設備は難しいでしょう。そこでセキュリティグッズの登場です。都市防犯研究センターが元泥棒に聞いたところ、鍵や窓を開けるまで5分かかれば7割が侵入をあきらめると答えています。完璧でなくても、少しでも侵入を手こずらせたり、意識していると見せられればいいのです。
【防犯カメラ】不審者を自動で感知して撮影
※Panasonic(パナソニック) http://panasonic.jp/hns/products/hc300s.html
周囲に死角がある戸建て住宅にお勧めなのが、Panasonicの防犯カメラ「スマ@ホーム 屋外バッテリーカメラキット KX-HC300SK-H」。電源は電池、映像は無線LANなのでコンセントも不要で、配線いらず。カメラ機能だけでなく、熱を感知する人感センサーで不審者を感知して録画、スマホから呼びかけることもでき、驚かせることができます。実勢価格は22,000円前後です。
【窓センサー】窓のロックが外れたらスマホでわかる
※leafee(リーフィー)http://leafee.me/
大きな窓があるという家にお勧めなのは、窓に貼るだけで戸締まりできているかどうか、スマートフォンで確認できるようになるスマート窓センサー「leafee mag」。出掛ける際の戸締まりもアプリで一括チェックできます。電源は電池式でコードいらず。取り付けも工具不要でとても簡単です。付属の両面シールを使って窓に貼るだけで使えます。実勢価格は2,700円程度です。
【屋内カメラ】移動式の留守番カメラ
※ilbo(イルボ)http://www.ilbo.jp/
高齢者やペットなどが心配というご家庭にお勧めなのが、やスマートフォンやタブレットで操作できる移動式お留守番カメラ「ilbo(イルボ)」です。本体に車輪が付いているので、専用のアプリを使って外出先からイルボを移動させ、カメラの映像を見ることができます。双方向通話機能、暗視機能、温度センサー搭載で、8ミリ以下の段差は乗り越えます。実勢価格は31,000円前後です。
予算が…という方には「ALSOK LOCK(アルソック・ロック)」をお勧めします。サッシ窓の鍵に付ける補助鍵で、アルソックマークのシールも付いてきます。実勢価格は1,900円前後です。