今後の戸建て賃貸ビジネスを考えるためのDATA


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部屋探しはここを重視!

賃貸物件で譲れないポイント

家賃からの距離重要項目


  物件選びは様々な条件を巡る妥協の産物

 今回は賃貸の物件選びについて、特に借りる方はどこに注目して決めているのか、データから紐解いていきます。
 まず、「物件を選ぶ際に重視するポイント」を複数回答で選んでいるデータです。複数回答だと、家賃こそ91.5%でトップですが、間取り、最寄り駅からの徒歩分数、面積・広さと、2位以下もそれほど数字は変わりません。これを見ていると、あれもこれも重要と言いながら、すべてを満たす物件は難しいので、妥協していくことになるのでしょう。
 路線、立地、通勤・通学時間など、エリアを重視した項目は軒並み高い数字になっています。

【DATA1】 引越し先の物件選びで重視するポイント(複数回答)

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      http://suumo.jp/journal/2015/07/30/94861/

  単数回答だと「周辺環境」がトップに!

 次に、どの項目を最も重視しているかを“一つだけ”選んだデータです。そうすると、「周辺環境」が「賃料」を上回ります。ここで言う周辺環境とは、先ほどのデータであれば、駅からの距離やエリアなども含めた選択肢です。
 自由回答を見てみると、「駅から徒歩圏(15分位内が目安)」「治安」「自然環境」「買い物の便利さ」「周囲の交通量」「ペットが喜ぶ自然の豊かさ」など、住環境の良さと便利さを天秤にかけている姿が見えてきます。
 戸建て賃貸を借りるようなファミリー層は特に、治安や交通量を気にする方が多いようです。



【DATA2】引越しの際に最重要視するポイント(単数回答)

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https://www.ielove.co.jp/column/hatena/00805/


こんな設備が欲しい!

エアコンと追い炊き風呂は標準

ファミリーキッチン収納重視


  賃貸物件に欲しい設備機器は何?

 次は、物件にどんな設備が付いていれば魅力を感じてもらえるのか、というデータを紹介します。リクルートが毎年9月に発表する、賃貸契約した人へのアンケート結果です。そのうち、戸建て賃貸のターゲットであるファミリーに絞ってご紹介します。
 エアコンと追い炊き機能付きの風呂はほとんどの人が挙げています。実際、エアコンがほぼ全部屋に付いていることも珍しくなくなりました。ファミリーの回答はひとり暮らしや夫婦に比べ、ウォークインクローゼットやシステムキッチンといった生活を楽しむ設備と、LED照明や節水型トイレなど省エネ・節約に関する設備の数値が高いのが特徴です。

【DATA3】次に引っ越すときに欲しい設備(複数回答)

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http://www.recruit-sumai.co.jp/press/upload/chintai_cyuosa_20170915.pdf

  魅力的だと思う物件関連サービスは何?

 物件に含まれる設備だけでなく、周辺の付帯サービスの充実も求められています。クレジットカード決済サービス、家賃ポイントサービスといったお得系のサービスは人気です(コラムにて解説)。24時間カスタマーサービスも高額家賃の物件を中心に一般化しています。エアコン、敷地内、水回りと、定期清掃サービスの人気も高くなっています。戸建ての場合、庭の清掃、芝刈りサービスなどが高評価を受けそうです。
 グラフには出てきませんが、オンラインでの契約確認サービスも36%と高い数字です。「IT重説」が2017年10月から徐々に解禁される中、注目しておくべきサービスと言えそうです。

【DATA4】魅力的だと思う付帯サービス(複数回答)

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http://www.recruit-sumai.co.jp/press/upload/chintai_cyuosa_20170915.pdf

賃貸ビジネスNEWS

設備もサービスも新時代に突入!

防犯&ポイントシステムが鍵

 空き家の増加問題がクローズアップされる中、不動産賃貸は借り手市場になってきています。少子化の進展も今後ますます進んでいく中で、その傾向は強まりそうです。
 そこで出てきたのが、設備やサービス向上策。ここでは現在のトレンドをご紹介します。


体感治安が悪化し、防犯設備が人気に

 警察のデータ等では、現在は犯罪の発生率が低く治安が良い状態です。しかし、ワイドショーの激しい報道合戦などもあり、治安の悪化を感じる人が多くなっています。
 物件選びにも防犯のための設備が影響しそうです。上の「次に引っ越すときに欲しい設備(複数回答)」でも、防犯カメラ(68.7%)、ディンプルキーなどのピッキング対策の鍵(67.4%)、スマートキー(50.6%)と高い数字を集めています。



防犯カメラは高画質、小型、遠隔操作

 防犯カメラは今、技術が進化しています。ニュースに出てくる粗い映像はひと昔前のものか粗く加工したもので、現在ではかなり鮮明です。長時間録画もできます。
 大きさも手のひらサイズ、親指サイズというものまであります。スマートフォンで遠隔操作したり、動く人や物体を感知して通知を送ったり、マイク搭載で遠隔から警告できる機種まで登場しています。
 しかも安価です。たとえばアマゾンのランキングから選んだ、下の360度防犯カメラ。暗視撮影までできて、6990円(2017年9月20日現在)です。賃貸物件でも標準装備になるかもしれません。


Amazon|YI防犯カメラ
https://www.amazon.co.jp/dp/B0721B2Z1C?ref_=ams_ad_dp_ttl



玄関の鍵が強くスマートになる

 鍵に対する意識も高くなっています。ピッキング対策になるディンプルキーをはじめ、指紋認証型、ICカード式などスマートキーと呼ばれる鍵が人気です。
 戸建てはマンションと違い、掃き出し窓や勝手口もあり、ロック機能付きのサムターンなど、より防犯性の高い鍵が求められるでしょう。


お得なポイントサービスは大きな武器に

 設備以外の付帯サービスでは、クレジットカード決済サービス(65.1%)、家賃ポイントシステム(61.3%)が高い数字です。
 クレジットカード決済は、発生から支払いまで少し時間が空く上、クレジットカードのポイントが貯まるメリットがあります。
 家賃ポイントシステムは、UR賃貸住宅が「URでPonta」というネーミングで、家賃500円ごとに1Pontaポイントが貯まるシステムを採用しています。ポイントはローソン等で使えるので便利です。
 設備もサービスも時代は動いています。



UR賃貸住宅|URでPonta
https://www.ur-net.go.jp/chintai/ur-ponta/



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