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 取材地メモ
街と建物



久慈駅前ビル(久慈駅前デパート)
〒028-0061 岩手県久慈市中央3丁目42

 2013年度(平成25年度)に放映され大人気だったNHK連続テレビ小説『あまちゃん』の舞台となった架空の町「北三陸市」は久慈市がモデル。劇中「北三陸観光協会」として登場するビルが、この「久慈駅前ビル(久慈駅前デパート)」です。
 同ビルは1965年(昭和40年)に建設された地上4階、地下1階建て。完成当時は商業施設のほか事務所と住宅が入居し、屋上には展望台が設けられるなど、北三陸で最もハイカラなビルと評判でした。しかし、年月とともに老朽化が進み、展望台も立ち入り禁止状態。『あまちゃん』人気でにわかに観光スポットとなったものの、耐震改修しないと危険な状態です。
 地元では、「観光スポットして保存すべきである」「いや、撤去し駅前開発を行うべきである」と意見が分かれています。補修責任を放棄している所有者の建物を、税金で買い取って補修することへの理解は得にくく、駅前再開発も計画変更となり、現在は放置されたように建っています。

  今回取材した街

 岩手県 久慈市

 陸奥国は明治維新に際して、陸奥国・陸中国・陸前国に分割されました。これが「三陸」の言われ。岩手県北東部の久慈市は、三陸の北部「北三陸」にあたります。久慈湾に面し、「北限の海女」の町としても有名。2006年(平成18年)に、山間部の山形村と合併し、現在の人口3万6,000人となっています。『あまちゃん』で有名になった、おかずかおやつか分からない微妙な郷土料理「まめぶ汁」は山形村のもの。久慈のご当地モノとしては、ニンニク味噌の「豆腐の田楽」がイチ押しです。


まめぶ汁

豆腐の田楽

賃貸物件の現況〈久慈市〉

世帯数は上昇も人口減進み空室率17.4%
/県北最大都市ながら賃料も低め

 久慈市は、人口3.6万人(2017年2月)の岩手県北最大の都市です。沿岸部を中心に住宅の損壊、漁船の流失、水産施設の全壊などに見舞われた東日本大震災前(2011年1月)は3.8万人・1.5万世帯。この6年で世帯数はわずかに増え(394世帯)ましたが、人口は逆に2,043人減少しました。新設着工はようやく、震災前と同じ100戸強に落ち着いてきました。

■住宅状況
 「住宅・土地統計調査」(2013年)によれば、住宅総数1万6,100戸のうち賃貸は3,960戸で、居住ありが3,270戸、なしが690戸(空き家率17.4%)。5年前に比べ、居住あり借家の総数は同数ですが、民営が増えて給与が減少。2009年(平成21年)に久慈市が宅建団体の協力を得て行った調査では、統計手法が違うとは言え、民営2,044戸のうち空室は12.0%だったので、大きく増えています。

■家賃相場
 現在の賃貸相場は、データ数が少なく、大手賃貸情報サイトでは不詳。前記2009年調査では1R~1LDKで平均4万974円、2K~2LDKで同4万3,764円、3K~3LDKで同4万5,005円といった状況。震災を経て住宅事情は大きく変化し、大手不動産賃貸情報サイトから得た2013年(平成25年)データでは総平均5.1万円。矢巾町の5.6万円、奥州市の5.4万円、北上市・盛岡市の5.3万円に対し、地域経済環境の違いから低めでした。

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