今後の戸建て賃貸ビジネスを考えるためのDATA


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 第21回 賃貸住宅市場景況感調査
「日管協短観」

賃貸住宅の景気を知る4つのデータ


今回のデータは、公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会が毎年度4~9月、10~3月の半期ごとに、全国の会員企業1200社以上を対象に賃貸住宅の景況感を調査している「日管協短観/2018年度下期」を取り上げます。中でも成約率や家賃、入居率など気になるポイントについて、現場の実感値をご紹介します。

  成約件数は賃貸が増加し、売買は横ばい

 物件の成約数が増えているか減っているかという質問に対しては、賃貸は「増加」が多く、売買は「変化なし」が多いという傾向が出ています。
 地域別にみると、首都圏、関西圏で賃貸の増加比率が6割を超える状況です。それ以外の地域では、増加と変化なしがほぼ同数になります。
 関西圏は売買も好調で55%近くが増加しています。一方で首都圏・その他の地域では変化なしが多数です。
 ただ、賃貸・媒体とも、減少という答えは1割程度で、不動産市況の好調さが伺えます。

【DATA1】全国の賃貸・売買物件の成約件数



  賃貸物件の成約賃料はやや上昇傾向

 賃貸物件の賃料に関しては、全体でみると「変化なし」が約6割です。部屋数ごとに見ると、ワンルーム系は増加が3割を超え、戸建て賃貸に多い2LDK〜の広めの物件賃料は増加が約25%となっています。
 地域別に見ると、近年は地方から首都圏への移住人口が増えていることもあって、首都圏での賃料増加傾向が強くなっています。どの部屋タイプでも同様です。
 一方で賃料が安くなっているという答えは、どの部屋タイプでも1割強程度で、特に2LDK〜の広い物件は、減少という答えは少なくなっています。



【DATA2】全国の賃貸物件の成約賃料



  入居率は首都圏が微減、関西圏は高位安定

 アンケートに答えた会社が管理する賃貸物件の入居率は、全国的に見れば、ほぼ変わりません。昨年下期からの推移を見ると、94.2%と高い水準を保っています。地域別に見ていくと、首都圏のみが少し下がっていますが、高水準を保っています。
 家賃滞納率のデータもあります。月初時点での滞納率は6.5%程度、月末での1カ月滞納率で2.6%、月末での2ヶ月以上の滞納率は1.4%となっています。
 地域によってあまり変わりがなく、昨年度下期との変化もありません。



【DATA3】入居率の推移



  入居条件は、初期費用が下がる傾向に

 入居時の敷金・礼金など、初期費用のデータもあります。目立つのは、敷金(保証金)なし・礼金なし物件の増加ぶりです。さらにフリーレントあり物件が増えたという企業が4割にも達します。全体に入居時にかかる初期費用を抑え、入居率を上げる方向性が伺えます。
 地域で見れば、関西圏で礼金なし物件、保証金なし物件の増加比率が高くなっています。関西は初期費用が高いと言われ続けてきましたが、他地域に近くなっていきそうです。その他のエリアでは、フリーレントの増加比率が約5割と高くなっています。



【DATA4】入居時の条件


引用データ:公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会|第21回 賃貸住宅市場景況感調査 『日管協短観』2018年10月~2019年3月 https://www.jpm.jp/marketdata/


賃貸ビジネスNEWS

不動産業界にもIT化の波


不動産テックで業界が便利で効率的に

 日本の不動産業界は、市場規模40兆円、店舗数はコンビニ以上と言われる巨大マーケットですが、IT化が進んでいないと指摘されています。しかし、ようやく不動産業界にも新しい技術が導入されはじめています。いくつかご紹介します。

「IT重説」なら自宅で重要事項説明

 不動産は価格が高く、買い換えや住み替えが難しいため、これまでは契約前に重要事項説明として、不動産会社が顧客に対面で会って説明することが法律で決まっていました。しかしこれは不動産会社にも顧客にも負担が大きいため、テレビ会議システムとパソコン、スマートフォンを使って、遠隔で重要事項説明が行える「IT重説」が2017年から導入されています。まずは賃貸契約から導入されていて、時間と場所の制約がなくなるため、利用が増えています。



引用:東建コーポレーション


オンライン、VRで内見可能に

 不動産賃貸では、「内見(現地見学)」も不動産会社、顧客に負担が大きくなっています。そこで、ITを活用し、わざわざ物件に行かなくても内見ができるサービスが登場しています。「オンライン内見」は、不動産会社のスタッフが現地でライブ中継し、顧客は自宅のパソコンやスマホでチェックし、質問もできる仕組みです。「VR内見」は、専用に撮影したバーチャルリアリティ用映像を、不動産会社の店頭などでヘッドマウントディスプレイを使って見る仕組みです。どちらも人気です。


引用:NURVE


「スマートキー」で内見や退出後が楽に

 ビジネス界では、IoT(様々なモノをインターネットに繋ぐこと)が大ブームですが、不動産業界のIoTとしては、玄関の鍵をインターネットに繋ぐ「スマートキー」が登場し、賃貸ではまず内見に使われています。これまでの不動産会社や管理会社が管理していた鍵を、インターネットで開閉できる仕組みです。遠隔で鍵を開けたり、1回限りのパスワードを内見客に提供するなどで、内見が楽になります。入居者が退出後も、パスワードなどを変更するだけで、鍵自体を変える必要がなくなります。


引用:iNORTHKEY



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